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阪神期待の新戦力・木浪聖也とジョンソン 矢野新監督の起用法が上位進出のカギ

2019 3/24 07:00勝田聡
木浪聖也,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ベテラン健在!注目が集まる外野の定位置争い

昨シーズンは、2001年以来17年ぶりの単独最下位となった阪神。金本知憲監督が辞任し、新たに就任した矢野燿大監督は昨シーズンまで二軍監督を務めており、一軍での監督経験はない。まさしく「0」からのスタートとなる。

内外野ともにポジション争いが激しくなっている中、外野の両翼には今年も糸井嘉男と福留孝介のベテラン勢が健在だが、中堅では髙山俊、近本光司、江越大賀などが争っている状況だ。現時点では、「2番・中堅」で起用され続けている近本が一歩リードしていると言っていいだろう。

だが、ドラフト1位とはいえルーキーである近本が、シーズンに入ってからどのようなパフォーマンスを見せられるかは未知数。結果が出なかった際に我慢するのか、それとも切り替えるのか、矢野監督は判断を迫られることになる。

また、ベテランの域に達している両翼の糸井と福留は、年齢的にフル出場を望むのはさすがに厳しい。当然、ふたりを休ませるときには、第4の外野手が出場することになる。この役割も現段階で決まっておらず、中堅と同じく競争は続きそうだ。

悩ましい木浪聖也の起用法

野手陣で注目したいのは、ドラフト3位ルーキーの木浪聖也だ。春季キャンプから一軍帯同を続け、オープン戦でも打率.441(34打数15安打)と結果を残している。1番で起用されていることから、リードオフマンとして期待されていることもわかる。

本来、木浪のポジションは遊撃だが三塁の守備にもついているため、矢野監督はどのように起用していくかを模索中。遊撃では北條史也、鳥谷敬、植田海と、三塁では大山悠輔とポジション争いをすることになる。

社会人出身の即戦力候補とはいえ、直ぐにレギュラーを奪うことは容易ではない。チーム内のライバル達との争いに勝たなければならないのである。プロでの実績のない木浪はオープン戦でのアピールが必要になってくるわけだが、はたして開幕スタメンを手に入れることできるのだろうか。

<オープン戦成績>
木浪聖也
15試合/打率.380(50打数19安打)/0本/7打点

ジョンソンは一軍枠を勝ち取ることができるのか

このオフに阪神は投手陣の補強を行い、先発、中継ぎともに充実した。先発ではオネルキ・ガルシア(前・中日)と西勇輝(前・オリックス)を獲得。今シーズンから日本人扱いとなったランディ・メッセンジャー含め、エース格が3人となった。また、中継ぎとしてはピアース・ジョンソンを迎え入れている。

そのジョンソンがオープン戦で4試合に登板し、4回無失点、6奪三振と好投を続けている。130から140キロ前後のストレートに、カットボールとカーブを織り交ぜた投球でアウトを積み重ねている。150キロを超えるストレートをどんどん投げ込むタイプではなくとも抑えられる、お手本のような存在だ。

ここまでの投球を見ると、是非とも勝ちパターンに入れたい選手ではあるが、外国人枠という壁が前に立ちはだかる。守護神のラファエル・ドリスと先発のガルシアは、ほぼ確定。エフレン・ナバーロかジェフリー・マルテの野手陣で1枠を使用するため、残りの1枠を野手と争う形が濃厚となる。

ここまでのオープン戦ではマルテ、ナバーロともに結果を残すことができていない。とは言うものの、昨シーズンの阪神は577得点、打率.253はともにリーグ5位。85本塁打は最下位となっており、打線の強化は上位浮上に欠かせない。

こういった状況でジョンソンは、一軍枠を勝ち取ることができるのだろうか。

<オープン戦成績>
ピアース・ジョンソン
6試合/0勝0敗/6回/奪三振7/与四球2/防御率0.00

※数字は2019年3月22日終了時点