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中日は与田新監督・伊東HCコンビで強竜復活なるか 2年目守護神・鈴木博志にも注目

2019 3/23 11:00勝田聡
鈴木博志,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

与田剛新監督が就任

今シーズン、中日で指揮を執ることになった与田剛新監督。これまでにコーチとしての経験はあるが、監督は初めてだ。初の監督で、6年連続Bクラスのチームを立て直すのは容易なことではない。

そこで、与田監督にない経験を補う形で、西武とロッテで監督経験のある伊東勤氏をヘッドコーチとして招聘。与田・伊東コンビといえば、2009年のワールド・ベースボール・クラシックの際もコーチとして侍ジャパンを支え、世界一を勝ち取った盟友でもある。

ドラフト会議を除いて、このオフに左腕のエンニー・ロメロを獲得した中日は、それ以外の補強をしていない。つまり、既存戦力の底上げでシーズンを戦っていくことになる。

これと似たような状況だったのが、落合博満監督初年度の2004年だ。当時の落合監督は補強をほぼ凍結し、現有戦力でリーグ優勝。そして、黄金時代を築き上げた。2003年は2位だったこともあり、チームの置かれている状況は違う。

だが現在の中日には、平田良介、ダヤン・ビシエド、ソイロ・アルモンテと中軸の野手が揃っている。加えて、今季から主将を任されることになった高橋周平、そして3年目の京田陽太と脇を支える選手も育ちつつある。15年前の再来ともいえる中日の上位進出を与田・伊東コンビに期待したい。

一本足打法の渡辺勝に期待

ドラフト1位で注目されている根尾昂。黄金ルーキーとはいえ、まだ高卒1年目の根尾にいきなり活躍を臨むのは酷というもの。同様にドラフト1位で入団し、高校の先輩でもある平田が開花したのも入団6年目だった。そのため、球団側も焦らずに育成を行う方針のようだ。

そこで、2015年の育成ドラフト6位で入団した外野手の渡辺勝に注目したい。3年間に渡って二軍で結果を残し、このオフに晴れて支配下登録を勝ち取った苦労人でもある。

大島洋平、アルモンテ、そして平田と、実績ある選手が名を連ねている外野で、レギュラー奪取は難しい。にも関わらず、オープン戦での起用が多いのは期待の表れでもあるだろう。シーズンでは代打や守備固めで出場機会を増やしながら、実績を残していきたいところ。

渡辺の特徴は、王貞治や大豊泰昭を彷彿とさせる一本足打法。その美しいフォームから放たれる本塁打を目にするのが楽しみだ。

<オープン戦成績>
渡辺勝(中日)
13試合/打率.300(20打数6安打)/1本塁打/3打点

2年目の鈴木博志が守護神へ

今シーズンで入団2年目となる投手陣の鈴木博志。ルーキーイヤーだった昨年は53試合に登板し、4勝6敗4セーブ、12ホールド、防御率4.41の成績を残した。二軍降格の時期がありながらも、チーム最多の登板数で中継ぎ投手陣を支えてきた。プロ1年目の成績としては文句なしだが、勝利の方程式に入るには少し物足りなかったのも事実。

オープン戦から調子が良い今シーズンは、守護神としての起用が濃厚だ。憧れでもあるクレイグ・キンブレルの投球前と似たポーズから放たれる、150キロ超えのストレートは強烈。他にもカットボールやフォークボールを操り、安定した投球を見せている。

頼られる守護神として年間を通じた活躍ができれば、チームの順位も自然と上がっていくことだろう。守護神・鈴木に注目したい。

<オープン戦成績>
鈴木博志(中日)
8試合/0勝0敗4S/8回/奪三振8/与四死球3/防御率0.00

※数字は2019年3月22日終了時点