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ロッテ・ドラ3小島は左腕不足の先発陣を救えるか 2戦好投で開幕ローテへ猛アピール

2019 3/21 07:00浜田哲男
野球ボール,ⒸSPAIA
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期待の即戦力左腕

昨季、最下位の楽天とわずか1ゲーム差のリーグ5位と低迷したロッテ。巻き返しに向けての課題が山積みだが、中でも先発投手陣の立て直しは重要だ。今季は開幕投手に内定している石川歩をはじめ、ボルシンガー、涌井秀章、有吉優樹ら4人の開幕ローテーション入りは確実視されているが、5番手・6番手の先発候補が定まっていない。

本来であれば二木康太に期待したいところだが、13日のヤクルトとのオープン戦で先発し、3回5失点と乱調。また、昨季一軍デビューを果たして今季の飛躍が期待される種市篤暉は、吉井理人投手コーチがオープン戦で最終回に登板させ、クローザーとしての適正を試すなど、先発かリリーフかを模索中だ。

そこで期待がかかるのが、ドラフト3位ルーキーの即戦力左腕・小島和哉。浦和学院高では2年春のセンバツで優勝し、早稲田大では大学通算22勝を挙げる活躍を見せるなど、エリート街道を歩んできた。近年のロッテは左腕不足が続いており、是が非でも先発ローテーションに食い込んでほしい投手だ。

杉内俊哉を彷彿とさせる脱力感と球のキレ

小島の投球フォームと球の軌道は、ソフトバンクと巨人で活躍した杉内俊哉を彷彿とさせる。通算142勝を挙げた球史に残る左腕・杉内は、切れ味抜群の直球と、魔球とも称されたチェンジアップとスライダーを駆使し、通算2156個もの三振を奪った。

小島は、杉内に似た脱力感のあるフォームから伸びのある直球を投げる。また、抜けのいいチェンジアップやスライダーを武器としているところも似ている。そのほかにもカットボール、カーブ、ツーシームなど多彩な変化球を操り、打たせて取ることも三振を取ることもできる。井口資仁監督は、「長い回を投げてもらいたい」と、先発として期待をかけている。

オープン戦で快投し、球場がざわついた

小島は、3月6日に鎌ケ谷スタジアムで行われた日本ハムとのオープン戦で4回からマウンドに上がると、大田泰示に場外弾を浴びるも、3回2安打1失点と好投。好打者の近藤健介から空振り三振を奪うと、中島卓也、森山恵佑は2者連続の3球三振にしとめて、球場をざわつかせた。

また、本拠地ZOZOマリンスタジアムでの初登板となった14日の台湾ラミゴ戦では初先発。4回2安打1失点で5三振を奪う好投を見せた。この日もラミゴ打線に一発を浴びるも、日本ハム戦同様に打たれてもリズムを崩すことなく冷静な投球を継続。4回には3者連続で空振り三振を奪うなど、つけ入る隙を与えなかった。

本塁打を浴びても決して慌てることなく立て直していく様は、プロ入り1 年目とは思えない落ち着きぶりと頼もしさを感じる。

開幕ローテ入り、二桁勝利に期待

前述したが、近年のロッテは左腕不足。2014年まで在籍した現オリックスの成瀬善久以降、先発ローテーションに左腕がいない状態が続いている。これまでの小島の投球内容、チーム状況を踏まえると、小島が開幕ローテーション入りする可能性は高い。

左腕では、昨季6度先発して2勝を挙げた土肥星也や新外国人のブランドンがいるが、活躍できるかは未知数。オープン戦とはいえ、安定感抜群の投球を続けている小島にかかる期待は大きい。センバツ優勝投手であり、大学日本代表でも活躍するなど、大舞台に強いことも魅力だ。

石川、ボルシンガー、涌井の3本柱が計算通りに働いてくれることはもちろん、ロッテが上位進出するためには、4番手以降の先発投手の働きが鍵になる。小島には、開幕ローテーション入りはもちろん、二桁勝利を期待したい。