慢性的な損傷のため右肘クリーニング手術
楽天・則本昂大が右肘のクリーニング手術を受けると発表された。開幕は絶望となり、本人はもちろん、チームにとっても文字通りの“激痛”だ。
プロ入り以来6年連続2桁勝利をマークし、順調なら今季も開幕投手と目されていた右腕。岸孝之と並ぶ先発ローテーションの柱としてフル回転し、昨季も180.1イニングを投げて10勝をマークしていた。
2月23日の巨人とのオープン戦を首の寝違えで回避し、1軍本体を離れて調整していたが状態は戻らず、精密検査の結果、慢性的な損傷があった右肘の手術を決めたという。メンテナンスの意味合いのある手術とされるが、全治は不明。離脱期間が長引けば長引くほど、昨季最下位からの巻き返しを期す平石監督の計算が狂うだろう。
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メッセンジャーや菅野、涌井をも上回る
則本は2013年のルーキーイヤーにいきなり15勝を挙げ、田中将大(現ヤンキース)とともに日本一に貢献。以降6年間で通算75勝をマークしており、球界を代表する本格派右腕の一人だ。
注目すべきはその投球数。打たせて取るタイプではないため球数が多く、毎年3000球前後を投げている。過去5年の平均は12球団最多の3160球に上り、同僚の岸の2430球や涌井秀章(ロッテ)の2825球を大きく上回る。セ・リーグに目を向けても菅野智之(巨人)が2790球、中5日を厭わないメッセンジャー(阪神)でさえ3095球だ。これだけ投げていれば、肘や肩に負担がかからないないはずがないだろう。
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最近ではダルビッシュ(カブス)が昨年9月に、井納翔一(DeNA)が昨年10月に右肘クリーニング手術を受けた。いずれも今春キャンプは順調に過ごしているが、手術後しばらくはリハビリ生活を強いられることになる。
昨オフに石井一久GMが就任して以来、西武からFAとなった浅村栄斗を獲得し、広島との交換トレードで福井優也を獲得するなど積極的に補強してきた楽天。大黒柱の離脱は計算外だったはずだが、当面は則本抜きの戦いを余儀なくされることになった。
データ提供:共同通信デジタル