「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

オリックス投手陣の駒不足を救えるか ブレイクを狙う金田和之

2019 3/5 15:00山浦和樹
野球ボール,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

リリーフエースで復活を期す

2018年、リーグ4位に沈んだオリックス・バファローズ。このオフ、オリックスからは、エース格の金子千尋と西勇輝が抜け、先発の駒不足が懸念されている。その中で、山本由伸が先発再挑戦を表明した。となると昨シーズンリリーフとして54試合を投げ抜いた若手の代わりが必要になる。ここで推したいのが、虎視眈々と復活を狙う速球派投手の金田和之だ。

金田は、「鉄人」糸井嘉男の人的補償で、オリックス・バファローズに入団。2017年には34試合に登板したが、2018年は10試合にとどまり、防御率7.30と数字を落とした。しかし、本来の力を発揮できれば、143試合を戦い抜く貴重な戦力となる投手だ。

金田の武器はファスト系のボールである。ストレートの最速が150キロを超える投手で、そこに速い変化球をまぜ、芯を外し打ち取るタイプである。昨年はカットボールの空振り率と見逃し率が17.50%と最も高く、34試合に登板した2017年シーズンは、シュートの空振り率が21.84%、カットボールの見逃し率が19.05%で主力の球となっている。

新フォームの真価が問われる2019年

金田の投球は球威あるスピードボールを投げ込んでいくスタイルである。このような投手は、一般的にコントロールがアバウトだという印象を持たれがちだ。四球をよく出す印象があるのだろう。だが、金田については気になるデータがある。

2018年金田のBB/9(与四球率)は5.84と、決して良い数字とは言えない。その一方で、34試合を投げた2017年7月は2.31とまずまずの数字を残している。本来の力を出せば、金田は四球を少なく抑えられる投手である。ではなぜここまでコントロールが悪化しまったのだろうか。その要因の1つとして、フォーム改造の影響が考えられる。

2018年シーズン、金田はフォームの改造に着手した。上から投げ下ろすスタイルではなく、スリークォーターとサイドスローの中間くらいでリリースするスタイルに改良しようとしていた。腰の回転と合わせるために腕の位置を変え、コントロールを良くしようとしていたのだ。成績を一時的に落とすリスクをとってまで挑んだ新スタイル。取り組んだ成果が2019年シーズンに試される。

もう一つ取り組むべき課題がある。それは緩い変化球の取得である。打者の手元で動く速球で打ち取るタイプなのだが、そこに緩い変化球が加われば、スピードボールが生きてくるのである。

コントロールさえよければ活躍できると言われ続け、なかなか大活躍とまではいかなかった金田。2019年シーズンはチームのためにもフル稼働し、自身の活躍の足がかりとして欲しい。