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ヤクルト大下、オリ山本、広島アドゥワ、昨季好成績から先発転向目指す注目の3投手

2019 2/27 07:00勝田聡
大下佑馬,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

バラ色の日々を目指す大下佑馬

2年目の大下佑馬(ヤクルト)は、今シーズン先発ローテ入りへ向けて、順調に歩みを進めている。ルーキーイヤーとなった昨シーズンは先発、中継ぎ両方の役割で起用されながら、25試合で防御率3.09と奮闘した。また、43.2回で奪三振35個、与四球は9個と制球がいい。目を見張るようなストレートや鋭い変化球はなくとも、のらりくらりと抑えてきた。

今年は2段モーション気味のフォームへ変更。キャンプ中の練習試合や対外試合でも結果を残しており、先発ローテーション入りへ向けアピールを続けている。

昨シーズンは中継ぎがメインであったため、登場曲である『バラ色の日々』(THE YELLOW MONKEY)は試合中盤に流れていた。1999年に発表されたこの曲、1992年生まれの大下にとって馴染みは薄いはずだが、球場に足を運ぶ30代から40代のファンにとってはまさに直撃の世代である。

先発ローテーションを掴めば、曲は試合開始前そして打席時にも流れることとなる。先発で好投し、長いイニングを投げることで何度もその曲が流れれば、チームの勝利はあと少し。もちろんそれは大下にとってもバラ色の日々となるはずだ。

<2018年成績>
大下佑馬(ヤクルト)
25試合/2勝1敗5H/43.2回/奪三振35/与四球9/防御率3.09

山本由伸は先発としても輝けるか?

オリックスの高卒3年目右腕である山本由伸が好投を続けている。春季キャンプ中の紅白戦では2試合に登板し、4回1失点とまずまずの内容を見せている。昨シーズンの山本はセットアッパーとして54試合に登板し、32ホールド、防御率2.89と結果を残していた。しかし本人の要望もあり、先発での調整を続けている。

1年目に先発の経験があるとはいえ、シーズンを通してローテーションに入っていたわけではない。先発ローテーションに入り中6日で回るためには、実力はもちろん体力も必要となってくる。それに関しては未知の領域だ。

しかし、西勇輝(阪神)と金子弌大(日本ハム)が抜けたローテーションの穴を埋めるべく存在として、西村監督はじめ首脳陣から大きな期待がかかっていることは事実。先発投手として、飛躍を遂げるシーズンにしたいところだ。

<2018年成績>
山本由伸(オリックス)
54試合/4勝2敗1S32H/53回/奪三振46/与四球16/防御率2.89

2年目からフル回転したアドゥワ誠

山本と同じく高卒3年目を迎える広島のアドゥワ誠も、今シーズンは先発として起用される可能性がある。昨シーズン、一軍デビューを果たしたアドゥワは53試合に登板。6勝2敗、5ホールド、防御率3.74と中継ぎの一角としてシーズンを全うした。

しかし、緒方孝市監督は今春のキャンプで、中﨑翔太と一岡竜司をのぞいた投手陣に先発としての調整を指示。もちろんアドゥワも例外ではなく、先発の調整を続けている。

先発ローテーションのうち、大瀬良大地、野村祐輔、クリス・ジョンソン、九里亜蓮の4人は、これまでの実績からほぼ確定。残りの2席をアドゥワ、岡田明丈、薮田和樹、床田寬樹、そして新人の島内颯太郎や新外国人選手で争っている。

予定されていた練習試合が雨天中止となり、テストが思うように進んでいないことが気がかりだったが、2月21日に行われた阪神との練習試合では1回をパーフェクトピッチングと、少ない実戦の中でアピールしている。

196センチの長身から放たれる角度あるストレートは魅力。奪三振より与四球のほうが多い制球面に課題はあるが、おもしろい存在であることは間違いない。

中継ぎから先発へ役割が変わっても、チーム4連覇に貢献することへの期待がかかる。

<2018年成績>
アドゥワ誠(広島)
53試合/6勝2敗5H/67.1回/奪三振30/与四球36/防御率3.74

※数字は2018年シーズン終了時点