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【侍ジャパン】三塁・松田宣浩の後継者は? 巨人・岡本、阪神・大山ら将来の主軸候補が選出

2019 2/25 11:00勝田聡
岡本和真,大山悠輔,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

WBCでは松田宣浩が君臨

3月9日・10日のメキシコ戦へ向けた侍ジャパンのメンバーが発表された。今回の侍ジャパンは11名が初選出で、比較的若いメンバーで構成されている。これは、今年11月のプレミア12や来年の東京オリンピック、さらには2021年の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向け、「若手を試す」ためのメンバー選考と言える。

そんな侍ジャパンが「世代交代」を図りたいポジションがある。それは松田宣浩(ソフトバンク)が守っていた三塁だ。2013年、2017年と2度のWBCではレギュラーとして活躍した松田。これまで7度のゴールデングラブ賞を獲得していることからもわかる通り、打撃だけでなく守備も優れている。さらには元気あふれるモチベーターとして、チームを盛り上げることもできる稀有な存在だった。

だが、稲葉監督就任後はオリンピックを見据えて、複数の若手が松田の後釜候補として起用されてきた。今回の選考においても、岡本和真(巨人)、大山悠輔(阪神)、村上宗隆(ヤクルト)ら、将来の主軸候補が選出されている。

宮﨑敏郎は未選出

球界を見渡すと強打の三塁手として、最も期待できそうなのは宮﨑敏郎(DeNA)だろう。2017年に首位打者を獲得し、昨シーズンはタイトルこそ獲得していないが、打率.318(551打数175安打)と気を吐いた。また本塁打も15本から28本となり、ほぼ倍増。1988年12月生まれの30歳、年齢的に考えても東京オリンピック出場は可能だ。

だが、今回の代表メンバーには選ばれていない。2016年からレギュラーを獲得した宮崎は、遅咲きだったこともあるが日本代表の経験はない。最後のチャンスともいえる今回も名前が呼ばれなかったのは、何か理由がありそうだ。宮﨑はプロ入り後の通算盗塁数が「0」。「スピード&パワー」を掲げる稲葉監督のスタイルとあわないことが、原因のひとつと考えられる。

今回のメンバーの中で、所属チームにおいてメインで三塁の守備についているのは、大山、村上のふたり。それ以外で過去には、岡本、中村奨吾(ロッテ)も守ってきた。いずれも宮﨑より若く、東京オリンピック以降も主軸となることが期待される。また、ベンチ入り人数が24名となることが濃厚なオリンピックでは、複数ポジションを守れるユーティリティー的な存在が重宝される。そういった事情を踏まえた上での選出だったのだろう。

岡本か大山か、それとも村上か

今回のメキシコ戦では岡本、大山のふたりが三塁のスタメンとなることが濃厚。所属チームではそれぞれ主軸を張っており、長打力も備えている。松田の後継者としての近道は、2日間の試合の中で結果を残すことだ。

村上は清宮世代の19歳であり、若さあふれるスラッガー候補。しかし、所属チームにおいてレギュラー格ではなく先輩たちを追いかける存在のため、いきなりスタメンということは考えられない。まずは代表という雰囲気に慣れ、今後の戦いで招集されるようなパフォーマンスを見せることができるかどうかに期待がかかる。

昨シーズン、全試合で二塁を守ってきた中村だが、過去に三塁、遊撃、外野とあらゆるポジションで起用されてきた。今回もユーティリティー的な存在となりそうだ。

稲葉監督は誰を松田の後継者として考えているのだろうか。ホットコーナーとも呼ばれる三塁手の代表争いに注目したい。

【侍ジャパンメンバー】
※は初選出

<投手>
高橋礼(ソフトバンク)
森唯斗(ソフトバンク)
山岡泰輔(オリックス)
山本由伸(オリックス)※
松永昂大(ロッテ)
森原康平(楽天)※
梅野雄吾(ヤクルト)※
原樹理(ヤクルト)※
田口麗斗(巨人)
山﨑康晃(DeNA)
今永昇太(DeNA)
三上朋也(DeNA)※

<捕手>
甲斐拓也(ソフトバンク)
田村龍弘(ロッテ)
小林誠司(巨人)

<内野手>
清宮幸太郎(日本ハム)※
中村奨吾(ロッテ)
村上宗隆(ヤクルト)※
吉川尚輝(巨人)※
岡本和真(巨人)
京田陽太(中日)
大山悠輔(阪神)

<外野手>
上林誠知(ソフトバンク)
近藤健介(日本ハム)
西川遥輝(日本ハム)※
吉田正尚(オリックス)※
田中和基(楽天)
野間峻祥(広島)※