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ロッテ・荻野は今季こそフル出場なるか 「初」規定打席到達が期待される選手たち

2019 2/17 15:00青木スラッガー
野球ⒸShutterstock.com
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昨季は目立った「初」規定打席到達と同時の大ブレイク

試合数×3.1(小数点以下切り捨て)で算出される「規定打席」。143試合制の現在、シーズンの規定打席数は443。1年を通して試合に出続けた選手だけが到達できる、「レギュラーの証」ともいえる数字だ。

レギュラーの立場を築いている選手にとっては達成することが最低限の義務となるが、準レギュラーや控えクラスの選手にとっては簡単な目標ではない。例えば、昨季3連覇を飾った広島でクリーンナップの一角を担った松山竜平は、意外にも11年目にして初の規定打席到達だった。

他、2018年に初めて規定打席に到達した選手は、西武・山川穂高、オリックス・吉田正尚、ロッテ・中村奨吾、井上晴哉、楽天・田中和基、巨人・岡本和真などがいる。47本塁打を放った山川は本塁打王を獲得。岡本は33本塁打、吉田、井上も20本塁打以上を放ち、規定打席到達と同時に大ブレイク。

2017年まではプロ3年で通算1本塁打だった岡本と、2年目で新人王に輝いた田中は突然のブレイク。山川、吉田、中村、井上は2017年のシーズン途中からスタメンに定着し、好成績を残している。昨季は開幕前から「フル出場ならどれだけの数字を残すのか」と注目の存在であった。

見事、山川らはその期待に応えた形となった。では、これまで一度も規定打席に届いておらず、今季のレギュラー定着が期待される選手というと誰がいるだろう。2018年の規定未到達打者の成績を振り返ってみたい。

リーグ別「規定未到達」の注目打者

昨季までの松山のように「意外にも規定打席到達なし」の選手としては、10年目のロッテ・荻野貴司がいる。ルーキー年から活躍したがキャリアを通じて怪我が多く、2013年の397打席が最高。昨季は7月9日の試合で死球により右手指を骨折し、そこからシーズン終了まで一軍復帰を果たせなかった。序盤から打撃好調で、78試合で20盗塁をマークするなどトップバッターとしてチームをけん引していただけに、今季こそフル出場が期待される。

2018年セ・リーグ 200打席以上・規定打席未満

荻野以外の規定未達打者をリーグ別に見た場合、セ・リーグでは広島勢の優秀さが目立つ。西川龍馬と會澤翼が3割超えの打率をマークし、バティスタは302打席で25本塁打。會澤も13本塁打を放っている。3選手ともOPSは.800超えだ。

阪神も準レギュラークラスに楽しみな選手が多い。シーズン終盤に怪我で離脱してしまったものの、北條史也が266打席で打率.322のハイアベレージ。2年目の大山悠輔は11本塁打を放ち、陽川尚将も299打席で6本塁打、48打点をマークした。まずはポジション争いを勝ち抜くところからになるが、こういう選手がレギュラーを確立するだけの活躍をしてくれると、戦力の底上げにつながる。

2018年パ・リーグ 200打席以上・規定打席未満

パ・リーグはソフトバンクの牧原大成、グラシアルが好成績を残した。牧原は7月ごろから二塁手スタメンに定着し、264打席で打率.317。終盤にはトップバッターにも定着。ソフトバンクの二塁手は2017年からレギュラー不在となっているだけに、今季のキーマンとなり得る。

大砲候補としては、楽天・内田靖人が193打席で12本塁打を放ち、存在感を見せた。本塁打を1本打つのに、どれだけの打数を必要としたかを表す「本塁打率」は14.75。これは他球団の主砲クラスと比べ、そん色ない数字で大ブレイクの気配を見せている。ロッテ・平沢大河、日本ハム・横尾俊建なども長打のある打者として注目の存在。

レギュラーまであと一歩という選手が多いオリックス。大城滉二が2年続けて400打席以上に立ち、伏見寅威、福田周平、宗佑磨といった若手野手がまずまずの打撃成績を残した。中島裕之、小谷野栄一と主力打者が抜けた今、彼らの出場機会も増えるだろう。

今季最終的に、こういった選手の中から何人が打撃30傑に名前が載ることになるのか。レギュラー定着、そして昨季の山川らのような大ブレイクにも期待したい。