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中日・平田良介、減量が功を奏してキャリアハイ 今季はさらなる進化へ

2019 2/10 11:00浜田哲男
平田良介,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

昨季は打率が急上昇

2018年シーズン、中日の平田良介はプロ入り最多の138試合に出場。プロ入り13年目にしてキャリアハイの成績を残した。特筆すべきは打率だ。2016~2017シーズンは.250にも届かなかった打率が、.329と急上昇。8月中旬以降は1番打者としてチームを牽引し、同僚のビシエドらと首位打者を争った。

最近3年間の成績

ⒸSPAIA


高校時代に通算70本塁打を放つなど、入団以来これまで和製大砲として期待されながらも怪我で離脱することが多く、シーズンを通しての活躍をなかなか見せられなかった平田。怪我もせず、好調をキープできた要因は何だったのだろうか。

10kgの減量が好成績の要因

平田は、2018年シーズンに入る前のオフに、10kgの減量に取り組んだ。膝への負担を軽減し、怪我を未然に防ぐためだ。体重減少に伴いパワーも落ちると言われるが、それでも試合に出続けることを優先した。

8月14日のDeNA戦で1番に入った平田は、そこからハイアベレージをマーク。16日には史上68人目のサイクル安打を達成するなど、ヒットを量産。出塁率も.410を記録し、チャンスメーカーとしての役割を果たした。

昨季の成功体験からか、今季も86~88kgで開幕を迎えること(昨季の開幕時は88~89kg)を目標とし、さらなる進化を目指している。

チャンスでの勝負強さは健在

もともと勝負強さには定評があったのだが、特にチャンス時に強さが目立った昨季は、リーグ4位の得点圏打率.344をマーク。昨季は1番に座ってから打撃が上向きになったが、今季はチャンスで打席が多く回ってくる中軸を任せても面白いかもしれない。

セ・リーグ 得点圏打率ランキング

ⒸSPAIA


どんな選手なのか己のカラーを強く打ち出すことが大切とも言われる厳しいプロの世界。昨季は長距離砲ともアベレージヒッターとも呼べる成績を残せなかった平田。己のカラーを追求していく上で、大きな転機となることは間違いないだろう。

根尾昂の入団が刺激に

大阪桐蔭高出身の平田にとって、母校の後輩であるドラフト1位ルーキー・根尾昂の存在は刺激となるはず。

根尾は遊撃手一本で勝負することを明言しているが、正遊撃手として京田陽太がいる。また、中堅手・大島洋平の守備の衰えを指摘する声もあるため、中堅手として起用されることも考えられる。元中日監督の落合博満氏も、根尾は遊撃手と決めつけるのではなく、まずは様々なポジションを守らせて適正をみるべきだと語っている。

仮に根尾が中堅手として起用される場合、主に右翼を守る平田と外野でコンビを組むことになる。根尾がどのタイミングで一軍に定着することができるかは分からないが、大阪桐蔭コンビが躍動する光景は見ものだ。

何よりも、後輩の存在に刺激を受けるであろう平田が、さらに一皮むけるのではないかという期待も高まっている。

再び侍ジャパンへ

今秋はプレミア12、来年は東京五輪、再来年はワールド・ベースボール・クラシックと国際大会が続く。

平田は、2015年秋に開催された第1回プレミア12で全8試合に出場。26打数11安打、打率.423と打ちまくり、準決勝の韓国戦では適時打を放つなど勝負強さを存分に見せつけた。堅実な外野守備と走力を兼ね備えており、今季も昨季のような成績を残すことができれば、再び侍ジャパンに招集される可能性も高まるだろう。

入団以来、規定打席に到達したシーズンで3割をマークした経験のなかった平田だが、減量によってハイアベレージをマーク。今季もスリムボディをキープすることで、さらなる進化を目指している。ここ数年に亘って低迷する中日が浮上するためには、走攻守全てにおいて平田の活躍が欠かせない。