昨年はフランスアが大ブレイク
近年、育成契約から支配下登録され一軍でも活躍する外国人選手は多い。昨年もシーズン中にライデル・マルティネス(中日)、ヘロニモ・フランスア(広島)、サムエル・アダメス、クリストファー・クリソストモ・メルセデス、ホルヘ・マルティネス(いずれも巨人)と5人が支配下登録を勝ち取っている。
なかでもフランスアとメルセデスはともに一軍でも結果を残し、チームに欠かせない存在となった。2017年にはサビエル・バティスタ(広島)、リバン・モイネロ(ソフトバンク)がシーズン中に昇格しリーグ優勝に大きく貢献。2年目となった昨年も結果を残している。
バリバリのメジャーリーガーではなく、育成契約から這い上がってきた外国人選手も戦力となりえるのである。
巨人は2人と新たに育成契約
巨人がこのオフ新たに2人の外国人選手を育成契約で獲得した。レイミン・ラモスとイスラエル・モタだ。ラモスは中継ぎとして期待される右腕で今年23歳になる若手。メジャーリーグの経験はないが、タンパベイ・レイズ傘下のマイナーで4年間プレーしていた。
一方のモタは右投げ右打ちの外野手で、ワシントン・ナショナルズ傘下で5年間プレー経験がある。
すでに来日しジャイアンツ球場で練習も行った。この春季キャンプではラモスが二軍スタート、モタは三軍スタートとなっている。巨人の外国人選手は支配下だけで8人おり、競争は激しい。支配下登録を勝ち取っても一軍枠に入るために、また新たな競争が始まるのである。
しかし、昨年は故障者が続出しメルセデス、アダメス、マルティネスと3人が支配下登録され、一軍での出場機会も掴み取った。決してチャンスがないわけではない。まずはキャンプでアピールし、首脳陣の目に止まりたいところだ。
謎の存在!コルデロは二刀流?
DeNAもこのオフに育成契約でレミー・コルデロと契約している。コルデロは2016年までドミニカでプレーしていたが、この2年は記録がなく謎の存在だ。また、投手としての獲得だが外野手としてのプレー経験もあり、起用法は明らかになっていない。春季キャンプは「投手」として二軍スタートとなっているが、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目が集まっている。
外国人選手としては捕手の育成契約選手もいる。アリエル・マルティネス(中日)だ。キューバ出身のマルティネスは昨年からチームに加わり、39試合(捕手として24試合)に出場している。言語の壁は大きいが、育成から支配下を勝ち取った外国人捕手は今まで不在。新たな歴史を作ることに期待がかかる。
ソフトバンクにはキューバ出身のオスカー・コラスがいる。モイネロと同時にやってきた3年目の外野手だ。モイネロに先を越されているが、コラスはまだ20歳。「伸びしろ」もあるはず。キャンプでは二軍に相当するB組スタートだが、支配下登録を勝ち取りたいところだ。
広島は現時点で育成契約の外国人選手は不在だが、練習生としてカープアカデミーから数人をキャンプに参加させている。そのなかで注目されているのがホアン・サンタナだ。バティスタ、フランスアといった先輩たちに追いつくためにまずは育成契約を結びたい。
このように多くの球団で外国人選手を育成契約で迎え入れている。日本人選手だけではなく、外国人選手も育成して戦力とする時代に向かいつつあるということだろう。現時点で一軍キャンプに帯同する選手は不在だが、アピール次第では一軍合流、そして開幕前の支配下登録があるかもしれない。異国の地・日本で頑張る育成外国人選手に注目だ。