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楽天は辰巳涼介ら大量6人、春季キャンプで一軍スタートとなった新人は?〜パ・リーグ編〜

2019 1/31 11:00勝田聡
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山野辺は浅村の穴を埋められるか

2008年以来、10年ぶりのリーグ優勝を果たした西武は、このオフに浅村栄斗(西武→楽天)、炭谷銀仁朗(西武→巨人)、菊池雄星(西武→マリナーズ)と3人の主力がチームを離れた。人的補償で内海哲也(巨人→西武)、新外国人投手としてザック・ニールを獲得したが、穴はまだ埋まっていない。

その西武は、大量5人の新人を一軍に相当するA班に抜擢した。中でも、注目なのはドラフト1位の松本航(日体大)だろう。昨秋のドラフト会議では唯一の単独1位指名となった松本は、150キロを超えるストレートを武器とした先発の即戦力右腕だ。左右の違いはあれど、菊池の穴を埋める活躍に期待がかかる。

3位の山野辺翔(三菱自動車岡崎)は浅村が抜けた二塁を狙う。現時点では外崎修汰が最有力候補なのは間違いない。しかし山野辺にメドが立てば、ユーティリティーの外崎を他ポジションへ回すこともでき、起用法の幅が広がる。チームの先輩で2016年ドラフト3位の社会人出身・源田壮亮も初年度から遊撃手のレギュラーを奪った。その再現となるか。

その他には4位の粟津凱士(東日本国際大)、6位の森脇亮介(セガサミー)の投手2人と、内野手の佐藤龍世(富士大)がA班入りを果たしている。

ソフトバンクは4人の即戦力投手を抜擢

日本一3連覇を狙うソフトバンクは甲斐野央(東洋大/1位)、杉山一樹(三菱重工広島/2位)、板東湧梧(JR東日本/4位)、奥村政稔(三菱日立パワーシステムズ/7位)と4人の投手を一軍に相当するA組に抜擢した。

ドラフト1位の甲斐野は大学時代から中継ぎとして起用されており、大学日本代表では抑えを任されていた。しかし、ソフトバンクにはデニス・サファテ、岩嵜翔、森唯斗といったリーグ屈指の投手が揃っている。1年目から一軍で勝ちパターンに入るのは至難の業だ。まずはキャンプで力強い球を披露し、オープン戦での登板機会を待ちたい。

その他の3人で注目したいのは杉山だ。193センチの長身から投げ下ろす角度のある球は大きな武器となる。社会人時代は先発、中継ぎ両方の経験があるのも強みのひとつ。チームの手薄なところに割って入りたい。

西勇輝(オリックス→阪神)、金子弌大(オリックス→日本ハム)とエース格のふたりが退団したオリックス。このキャンプでは荒西祐大(ホンダ熊本/3位)、富山凌雅(トヨタ自動車/4位)と社会人出身の2人を抜擢している。

荒西はなんと今年27歳のオールドルーキー。現時点での起用法は明らかになっていないが、社会人時代は先発、中継ぎともに経験があるのは売りのひとつだろう。一方の富山は、高卒社会人とまだ若い。同じ高卒社会人でありチームの先輩となる山岡泰輔、田嶋大樹のように先発での活躍が期待される。

日本ハムは吉田輝星含め全員が二軍スタート

最下位の楽天は高校生を除いた6人の大学生、社会人出身者を全員一軍に抜擢している。中でも辰巳涼介(立命館大/1位)は山崎武司や松井稼頭央が背負った背番号「7」を与えられており、期待は大きい。外野争いに加わることは確実で、昨年ブレイクし新人王に輝いた田中和基と中堅のポジションを争うことになりそうだ。

投手では弓削隼人(SUBARU/4位)、鈴木翔天(富士大/8位)の左腕2人がローテーション入りを狙う。則本昂大、岸孝之とリーグ屈指の右腕は揃っているが、左腕は不足している。塩見貴洋、辛島航らをまずは追い抜きたいところだ。

太田光(大商大/2位)、渡辺佳明(内野手/明治大)、小郷裕哉(外野手/7位)の野手陣は打撃面でアピールできれば、開幕一軍が近づくはず。

日本ハムはドラフト1位の吉田輝星(金足農高)をはじめ全員が二軍スタート。ロッテは2月1日の紅白戦後に一軍、二軍の振り分けを行うこととなっている。

一軍スタートを勝ち取った新人たちは、これから始まるサバイバルレースで脱落することなく、開幕一軍入りを果たすことができるだろうか。まずは自分の「売り」で勝負したい。

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