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田中正義、佐々木千隼は逆襲なるか 結果がほしい2016年ドラ1たち

2019 2/4 07:00勝田聡
2016ドラ1表,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2016年ドラフトの目玉だった田中正義

今年3年目を迎える2016年ドラフト組。京田陽太(中日2位)、源田壮亮(西武3位)が初年度に新人王を受賞、田中和基(楽天3位)も昨年ブレイクし、2年目ながら新人王を獲得した。また、山本由伸(オリックス4位)、梅野雄吾(ヤクルト3位)といった高卒の中位指名選手たちもセットアッパーとして結果を残している。

プロ入りから2年で何人もの選手が結果を残し、チームに欠かせない戦力となっているが、ドラフト時の主役は彼らではなかった。

当時、最も注目を集めていたのは、創価大の田中正義だ。150キロを軽く超えるストレートを武器にエースとして活躍し、大学日本代表でも結果を残していた。ドラフト前には「果たして何球団が競合するのか?」というのが話題の中心であった。結果的には5球団が競合し、ソフトバンクが交渉権を獲得。将来のエース候補として大きな期待を背負っての入団だった。

しかし、プロ入り後は故障もあり、満足のいく成績を残すことができていない。初年度は一軍登板なく、昨年も10試合で0勝1敗、防御率8.56と苦しんだ。ただ、13.2回で15三振を奪っており、奪三振能力の高さは見せている。今年こそ一軍で初勝利を挙げ、お立ち台に立ちたいところだ。

競合した2人、佐々木千隼と柳裕也

田中と同様に話題を集めていたのが、桜美林大の佐々木千隼だった。スリークォーター気味のフォームから繰り出されるストレート、そしてシンカーを売りとし、首都大学リーグで快投を続けていた。予想に反して1度目の入札はなかったが、2度目で5球団が競合。ロッテが交渉権を引き当てた。くじ引きを担当した山室晋也球団社長のガッツポーズ姿は、Tシャツのデザインにもなったほどだ。

ルーキーイヤーから4勝(7敗)をマークするが、投球内容はいまひとつだった。昨年は故障もあり一軍登板は「0」。7月に右肘の手術も受けており、今年は復活を期すシーズンとなる。

近年、チームのドラフト1位は平沢大河、安田尚憲、藤原恭大と高卒の野手が多く話題も彼ら中心だ。佐々木も負けてはいられない。今年こそローテーションに定着し、話題の中心となれる投球に期待がかかる。

1度目の入札が競合したのは田中だけではなかった。明治大のエース・柳裕也も2球団競合で中日へと入団している。1年目からローテーションを担う活躍を期待されるも、11試合で1勝4敗、防御率4.47。昨年も2勝5敗、防御率5.23と結果を残すには至っていない。明治大から中日のエースとなった星野仙一、川上憲伸といった先輩たちに続くためにも今年は奮起したい。

濵口は2桁勝利を達成、吉川はレギュラー格へ

その他のドラフト1位指名選手を見ると、濵口遥大(DeNA)が初年度から2桁勝利をマークし、日本シリーズでも好投を見せた。昨年は故障もあり、思うような結果を残せていないが、今年もローテーションの一角として計算される存在であることは間違いない。

吉川尚輝(巨人)は昨年の開幕から二塁のレギュラーに定着。広い守備範囲でチームを助けてきた。試合中のアクシデントで骨折し夏場以降は出場できなかったが、今年も正二塁手の筆頭候補だ。

大砲候補としての期待がかかる大山悠輔(阪神)は、昨年の終盤に本塁打を量産。9月は22試合で9本塁打と「コツ」を掴んだかのような変貌を見せた。今年はフルシーズンを戦うことに期待がかかっている。

唯一の社会人でもあった山岡泰輔(オリックス)は2年連続で規定投球回に到達。西勇輝(オリックス→阪神)、金子弌大(オリックス→日本ハム)が抜けた今年はエース格としての投球が求められる。

広島の加藤拓也(現・矢崎拓也)は初登板であわやノーヒットノーランという快投を演じたが、その後は結果がついてこない。藤平尚真(楽天)、寺島成輝(ヤクルト)、堀瑞輝(日本ハム)、今井達也(西武)といった高校生組はこれからに期待したいところだ。

このように2016年ドラフト組を振り返ってみると、現時点では田中、佐々木、柳といった競合した選手よりも、その他の選手が結果を残している。もちろん、まだ2年目のシーズンが終わったばかりであり、これからの成長も大いにあるだろう。結果が出ていない選手たちの巻き返しに期待したい。

2016ドラ1表,ⒸSPAIA

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