西武は投手1人、ソフトバンクは獲得なし
2008年以来、10年ぶりのリーグ優勝を飾った西武は、このオフに浅村栄斗(楽天)、炭谷銀仁朗(巨人)がFAでそれぞれ移籍。菊池雄星はポスティングでマリナーズへと旅立った。
一方の補強は人的補償で内海哲也を巨人から獲得。そして即戦力となる新外国人選手の補強として右腕のザック・ニールを獲得した。

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今シーズン、ドジャースでは1試合の登板に終わっているが、マイナーでは32試合(内、先発14試合)に登板し5勝4敗、防御率4.63の成績を残している。現時点で起用法は明らかになっていないが、先発としてスタートすることが濃厚。先発ローテーションに入ることが求められる。
ソフトバンクは、リーグ2位ながらクライマックスシリーズを勝ち抜き日本シリーズに出場。見事に広島を破り、2年連続日本一を達成した。だが、オフシーズンの補強では、FA権を行使した浅村栄斗(西武→楽天)、西勇輝(オリックス→阪神)の争奪戦に参加するも連敗。また、新外国人選手の補強も行なわなかった。
現時点ではドラフトを除いた補強は行なわれていない。現有戦力で3年連続日本一を目指すこととなりそうだ。
レアードの穴は王が埋める
昨シーズン、3位に終わった日本ハムはこのオフに大きな補強を行っている。オリックスの減額制限(年俸1億円以上は40%)を拒否し自由契約となった金子弌大、トレードでは秋吉亮、谷内亮太をヤクルトから獲得。そして、新外国人選手としてはジャスティン・ハンコック、ジョニー・バーベイトの右腕2人、そして台湾の英雄でもある王柏融と3人を獲得した。

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中継ぎとしての起用が濃厚なハンコックは、MLBで10試合に登板し防御率1.46と好成績を残している。2018年シーズンは12.1回を投げて与四球9と少し制球に不安はあるが、ブルペンの一角に収まりそうだ。バーベイトはメジャー、マイナーともに中継ぎとして起用されてきたが、日本では先発として考えられている。26歳とまだ若いのも好材料だ。
そして王だ。台湾の4割打者にかかる期待は大きく、中田翔らとともに主軸の働きが求められそう。長距離砲ではなくタイプは異なるが、総合的に抜けたレアードの穴を埋めることが期待される。
4位に終わったオリックスは、西勇輝(阪神)、金子弌大(日本ハム)と2人のローテーション投手が退団。西村徳文新監督にとっては苦しい船出となった。その穴埋めに期待がかかるのが右腕のタイラー・エップラーだ。

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昨シーズンはAAAで13勝6敗、防御率3.59の結果を残している。153回を投げ与四球は39と制球もまずまずで、先発ローテーションの一角に食い込みそうだ。
野手ではジョーイ・メネセスを獲得した。昨シーズンはAAAで本塁打と打点の二冠王を獲得し、MVPも受賞している長距離砲候補だ。残留したステフェン・ロメロ、クリス・マレーロと外国人枠を争うことになる。
ロッテはバルガス、楽天はブラッシュの長打力に期待
ロッテはこのオフに丸佳浩(広島→巨人)の獲得に乗り出したが、獲得できなかった。その軌道修正を行い、新外国人選手3人を補強している。その中で唯一の野手がケニス・バルガスだ。

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昨シーズンはAAAでプレーし21本塁打。MLBでは2014年から2017年までの4年間で35本塁打を記録している。指名打者として本塁打の量産が期待される。
投手は守護神候補の右腕ジョシュ・レイビンと左腕のブランドン・マンが加入した。ブランドンはDeNA(横浜含む)で2011年・2012年の2年間プレーした経験があり、7年ぶりにNPBへ復帰した。昨シーズンは念願のMLBデビューも果たしており、パワーアップした姿に期待がかかる。
最下位に沈んだ楽天はFAで浅村栄斗を西武から獲得。そして新外国人の補強としては中継ぎ右腕のアラン・ブニセッツ、そして長打を期待されるジャバリ・ブラッシュと2人を獲得している。

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ブニセッツは2017年にMLBデビューを果たしており、中継ぎとして28試合に登板。1勝1敗、防御率1.99の成績を残していた。昨シーズンは23試合に登板し防御率7.82と打ち込まれたが、25.1回を投げ26奪三振と投球回以上の三振を奪っている。
ブラッシュはMLB通算8本塁打だが、マイナーでは9シーズンで169本塁打を記録している。昨シーズンはMLBでの本塁打はなかったが、マイナー(AAA)では83試合で29本塁打を放っている。