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セ・リーグチーム分析 -阪神、中日編-

矢野燿大監督ⒸSPAIA
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阪神

2018年セ・リーグ:盗塁成功率


昨季、17年ぶりの最下位に終わった阪神。巻き返しを図る今季は、矢野新監督が公言する機動力野球がテーマとなりそうだ。

矢野監督は昨季、二軍の指揮官に就任してリーグ新記録となるチーム163盗塁をマーク。積極的な盗塁意識を選手に植えつけ、前年の89盗塁から大幅に増加させた実績を持つ。また、一軍は2016年の盗塁王である糸井を中心にリーグトップの成功率を記録するなど、機動力野球の下地は整っている状況だ。

新たな指揮官が掲げる「超積極的野球」のもと、既存の戦力に若手を融合させ、チームの得点力を向上できるだろうか。

2018年阪神:年齢別救援投手成績


投手陣には今オフ、西とガルシアを補強して先発ローテーションが充実。一方のリリーフ陣はというと、昨季リーグトップの防御率を記録したものの、ベテランにかかる負担は気がかりかもしれない。

38歳の藤川、39歳の能見らが勝ちパターンを任されて好成績を挙げたが、20代の救援投手は結果を残せない選手が多かった。実績のあるリリーバーたちの負担を減らすためにも、頼れる若手投手の台頭が待ち望まれる。

中日

2018年中日:打順別打撃成績


6年連続でBクラスに低迷している中日。苦しいシーズンが続く中で、昨季は首位打者を獲得したビシエドをはじめ中軸の打者が充実したのは収穫だった。クリーンアップの打率が3割を超えたのは12球団で唯一だった反面、そうした強打者の前を打つバッターには課題を残す。

シーズン終盤には高い出塁率を誇る平田を1番に起用したが、シーズンを通した1・2番の出塁率は.311にとどまった。中軸の高い打力を生かすため、今季は1・2番の出塁率向上が求められるだろう。

2018年セ・リーグ:救援投手成績


一方の投手陣ではブルペン陣の整備が最重要課題だ。田島や又吉ら実績のある選手の不振もあり、昨季の救援防御率は4.93を記録。チームが喫した78敗のうち半数近い38回が逆転負けと、リードを守りきれない試合が目立った。

ここまでリリーフ投手に大きな補強はなく、現有戦力の底上げは必要不可欠。限られた選手層のなかでどのように改善を図るのか、かつてチームの守護神として名をはせた与田新監督の手腕に注目したい。

※文章、表中の数字はすべて2018年シーズン終了時点


企画・監修:データスタジアム、執筆者:泉 熙