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田中和基、吉川尚輝、中尾輝……昨季大卒2年目で飛躍した選手たち

2019 2/3 07:00勝田聡
吉川尚輝,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

田中和基は新人王を受賞

2018年シーズン、楽天は最下位に終わったが、主軸となりそうな選手が誕生した。2017年のドラフト3位で、立教大学から楽天へ入団した田中和基だ。1年目は51試合に出場したものの、結果は打率.111(54打数6安打)と振るわず、2年目は開幕一軍入りを果たしたが、1週間ほどで二軍に降格した。

しかし、5月下旬に昇格すると、6月12日からは「1番・中堅」として全試合に出場し、切り込み隊長として奮闘。最終的に打率.265(423打数112安打)、18本塁打、21盗塁の成績で新人王を受賞した。

田中のように2017年のドラフトで大卒即戦力に近い期待をされて入団するも、1年目は低迷し、2年目に大きく飛躍した選手は多い。

ドラフト1位で中京学院大から巨人へ入団した吉川尚輝もそうだ。大学の先輩にあたる菊池涼介(広島)を彷彿とさせる守備、そして走塁が自慢の触れ込みだった。大きな期待を背負っていたが、コンディション不良に見舞われ、新人合同自主トレから別メニューに。1年目の一軍出場はわずか5試合に終わってしまう。

だが、2018年シーズンは開幕戦から「2番・二塁」としてスタメン出場。広い守備範囲を武器とし、遊撃を守る坂本勇人とリーグ屈指の二遊間を形成した。8月上旬に骨折したため残りのシーズンは全休となったが、92試合で打率.253(316打数80安打)の成績を残し、長らく巨人のネックとなっていた二塁のポジションを埋める存在に成長。これから迎える新しいシーズンでも二塁手の最有力候補となっている。

中尾輝は勝ちパターンの一角へ

投手にも飛躍を遂げた選手たちがいる。名古屋経済大からドラフト4位でヤクルトに入団した中尾輝(ヤクルト)がその筆頭だ。 初年度は一軍登板わずか2試合、防御率11.25と「一軍の壁」に突き返された。迎えた2018年、開幕から中継ぎとして起用され結果を残し続けると、試合終盤の「勝ちパターン」の戦力に組み込まれた。疲れからか8月上旬に一時登録を抹消されたが、最終盤に一軍へ復帰。シーズンを通して54試合に登板し、7勝3敗12ホールド、防御率3.50と結果を残した。貴重な中継ぎ左腕として、チームの2位躍進に大きく貢献した。

先発投手では小野泰己(阪神)と笠原祥太郎(中日)の名前があがる。小野は初年度から15試合に先発したが、2勝7敗と勝ち星はついてこなかった。しかし、2018年シーズンは23試合で7勝7敗。投球回は126.1回と、わずかに規定投球回には届かなかったものの、最下位だったチームの中で奮闘したといえる。

笠原の活躍も見逃せない。初年度から18試合(内、先発4試合)で1勝3敗、防御率3.14と上々の成績を残していた笠原。2年目の2018年シーズンは、20試合(内、先発16試合)で6勝4敗、防御率4.14と先発としても結果を残した。その活躍もあり、日米野球では日本代表にも選ばれた。3年目となる今年は開幕投手の最有力候補にもなっており、チームのエースにまで登りつめる可能性も秘めている。

このように1年目に結果がでなくても、2年目に飛躍する選手は毎年のように存在する。今シーズンも春季キャンプから注目したい。

※数字は2018年シーズン終了時点