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浅村が抜けたライオンズ キーマン外崎修汰は穴を埋められるか

2019 1/24 15:06SPAIA編集部
外崎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

外崎は浅村の穴を埋められるか

1月も下旬を迎え、2月1日のキャンプインへ向けて選手達の動きも活発になってきた。今オフを振り返ってみると、移籍が大きな話題を呼んだ。特に、西武からはポスティングによって菊池雄星が、FAによって浅村栄斗、炭谷銀仁朗の2選手が流出することになった。

その中でもファンにとってショックが大きかったのは、浅村の楽天移籍ではないだろうか。不動の3番セカンドとして、2018年は32本塁打、127打点で打点王に輝く活躍。チームだけでなく球界を代表する内野手が移籍したのだから、チームとしては再編を余儀なくされる。

しかし、西武には、その浅村の穴を埋められる選手として期待されている男がいる。外崎修汰だ。昨シーズン打撃が開花し、一時は5番を張るなどチームに大きく貢献した。終盤に怪我で離脱してしまったが、それまではしっかりと結果を残しており、2019年は浅村の抜けたセカンドの後釜候補の筆頭として期待されている。

ここでは、2019年獅子のキーマンとなりうる外崎修汰について、浅村との比較とともに2018年成績を振り返る。

浅村に匹敵する勝負強さを見せていた外崎

昨シーズン、浅村が127打点で打点王のタイトルを獲得した一方で、外崎は67打点とパ・リーグ全体で13位の成績だった。この数字だけ見ると少し不安な部分はあるが、ここで下表のデータを見ていただきたい。

浅村外崎得点圏成績,ⒸSPAIA

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この表は両選手の得点圏での打撃成績を比較したものだ。やはり打点王になっただけあり、浅村の方が優秀な成績を収めてはいるが、外崎も.360と高打率を残している。ちなみに、浅村の得点圏打数が160、外崎が100であり、もし浅村と同じ数の打数があれば77打点を叩き出せる計算になる。

それでも浅村の数字には及ばないが、外崎はクリーンナップの後ろを打つことが多かったことを考えれば、上々の数字を残していたといえる。浅村の代わりに、得点圏にいるランナーを返すクラッチヒッターとしての役割も十分期待できるだろう。

では、長打力に関してはどうだろうか。

浅村外崎長打成績,ⒸSPAIA

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上の表は、両選手の長打の数をまとめたものである。2塁打と3塁打の合計は27と変わらないが、本塁打数では浅村が大きく上回っている。長打力を測る指標であるISO(長打率-打率)でも浅村が上回っており、長打力に関しては、さすがに浅村に軍配が上がった。この差を外崎1人で埋めるのは難しい。チーム全体でカバーしていくほかないだろう。

0ストライク時の成績なら外崎の方が上

浅村といえば初球からガンガン振っていくイメージを持っている方も多いだろう。一方で、外崎はどちらかと言えばケースバイケースのバッティングといった印象ではないだろうか。

そこで、2018年の両選手の0ストライク時成績を比較した。

浅村外崎0ストライク時の成績,ⒸSPAIA

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外崎の0ストライク時の打率を見ると4割を超えており、浅村を上回っている。両者ともに高打率を残しており、甘い球を確実に仕留めていることがうかがえる。さらに、本塁打に関しては、数字こそ8本と浅村に劣るが、打席数を本塁打数で割った本塁打率でみると、浅村とほぼ同じ数字となっている。

このように、0ストライク時に関していえば、外崎は浅村と同等か、それ以上の成績を残していることがわかる。打席数の差や求められる役割に違いがあるため、一概には言えないものの、もしファーストストライクからどんどんと振っていける打順に座れば、チーム、球界を代表する選手に化ける可能性も十分にありえる。

ここまで、浅村と外崎の2018年成績を比較してきた。外崎は長打力では及ばないものの、その他の部分では浅村とそん色ない成績を残しており、二塁手としては十分すぎる成績が期待できそうだ。

浅村が楽天に移籍し、西武ファンにとっては悲しいオフとなってしまった。だが、穴を埋められる選手は必ず現れるはずだ。外崎が浅村に代わる内野の要となれれば、リーグ連覇も見えてくるだろう。