「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

パ・リーグチーム分析 -楽天、ロッテ編-

野球ボールⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

投打が噛み合わなかった楽天、浅村獲得で得点力アップ期待

昨季は梨田監督がシーズン途中に辞任、4月13日以降最下位から抜け出せないなど、不本意なシーズンとなった楽天。それでも投手陣は、リーグ3位の防御率3.78と及第点の働きを見せた。

とりわけ先発陣は則本が5年連続で奪三振王に輝き、岸が自身初となる最優秀防御率のタイトルを獲得。また、5年目・古川、2年目・藤平が多くの登板機会をつかむなど、若手の台頭もあった。今季は貴重な経験を積んだ有望株がさらなる飛躍を遂げ、則本、岸の2枚看板に次ぐ存在となれるか。

2018年楽天:主な先発投手成績


野手に目を転じると、リーグ最少の520得点と投手を援護できなかった。しかし、今オフは西武からFA権を行使した浅村の獲得に成功。一般的に浅村が守るセカンドは、打撃に秀でた選手が配置されることは少なく、「打てる二塁手」は球界を見渡しても希少な存在だ。

2018年パ・リーグ:二塁手打撃成績


そんな中で昨季打点王に輝いたスラッガーの加入は、二塁手の打力が他球団に比べて劣っていた楽天にとって願ってもない補強といえる。チームの弱みを強みに変えられる浅村の存在が、楽天打線に絶大なメリットをもたらすだろう。

後半戦苦しんだロッテ、球場改修は吉と出るか

井口新監督の下、2018年シーズンに挑んだロッテ。前半戦こそ指揮官が掲げた「機動力野球」が機能するなど、Aクラス争いに食らいついていたが、後半戦は苦しい戦いを強いられた。

開幕からリードオフマンを務めた荻野の長期離脱が響き、得点力が低下。さらに、ブルペン陣の救援失敗が相次ぐなど、投打ともに振るわなかった。最終的には2年連続の最下位こそ逃れたが、首位と28.5ゲーム差の5位。今季はシーズンを通して安定した戦いを見せたいところだ。

2018年ロッテ:期間別1試合平均得失点・勝率


そんな中で、長年待ち望んだ和製大砲の誕生は明るい話題だろう。5年目の井上はシーズン半ばから快打を連発すると、7月9日以降は4番に定着。球団の日本人選手では2000年以降最多タイの24本塁打をマークし、長打力不足が積年の課題となっているチームで、ポイントゲッターの役割を担った。

2000~18年ロッテ:日本人選手本塁打ランキング


今季ロッテの本拠地・ZOZOマリンは「ホームランラグーン」が設置され、ホームランが増加することが予想される。これまでよりも長打が出やすい環境に変わることで、井上の打棒がチームに与える影響はより大きくなるだろう。

※文章、表中の数字はすべて2018年シーズン終了時点


企画・監修:データスタジアム、執筆者:川畑 賢太郎