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高橋光成の復活に期待したい西武の先発投手陣

2019 1/20 11:00勝田聡
野球ボールⒸShutterstock.com
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菊池雄星がシアトル・マリナーズへ

2018年は10年ぶりにパ・リーグ制覇を果たした西武だが、このオフは主力選手の流出が相次いだ。浅村栄斗、炭谷銀仁朗のふたりがそれぞれ楽天と巨人へFAで移籍。菊池雄星がポスティング制度を用いてMLBのシアトル・マリナーズへと夢を追い求めていった。

とくに大きいのが、エース菊池の穴だろう。もちろん、補強を行っていないわけではない。人的補償で巨人から内海哲也、ドラフト1位で松本航(日体大)ら4名、新外国人選手としてザック・ニールといった選手たちが加わっている。

しかし、内海は巨人で通算133勝の実績はあるが、1年間ローテーションで活躍したのは2013年が最後。その後は不振や故障もあり、年間を通じてローテーションを守ることができていない。即戦力候補の松本は新人であり過度な期待は禁物。ニールも同様にアメリカでの実績はあるが日本での実績はもちろんない。現時点でローテーションを任せられるかは未知数だ。

多和田真三郎、榎田大樹らが中心に

菊池が抜けた2019年シーズン、1番手となるのは多和田真三郎だろう。2018年シーズンは自己最多となる26試合、172.2回を投げ16勝5敗と結果を残した。打線の援護もあり、最多勝のタイトルを獲得したが26先発中QSは14回で53.8%と安定しなかった。2019年シーズンはエースらしい投球を見せることが求められる。

多和田に続くのが左腕エースの榎田大樹か。阪神から移籍してきた初年度だったが、11勝4敗と好成績を残し先発として復活を遂げた。規定投球回には届かなかったものの、132.2回を投げており役割は十分に果たしたと言っていいだろう。2019年シーズンは同じ左腕の内海が加わったのも大きい。榎田も内海同様に力でねじ伏せるタイプではなく、参考になる点は多いはず。実績ある左腕との共闘で自身初となる規定投球回を目指す。

そして今井達也。2016年夏の甲子園優勝投手でもあり、同年のドラフト1位で入団してきた金の卵である。2年目のシーズンとなった2018年には5勝5敗、防御率4.81とまずまずの成績を残した。2019年は1年間を通してローテーションを守ることが求められる。

その他には十亀剣、ファビオ・カスティーヨなどが控えている。カスティーヨは先発、中継ぎ両役割で起用されていたこと、そして11月に右肘を手術したこともあり、どのような起用法になるかは現時点で明らかになっていない。 そして、忘れてはいけないのが高橋光成だ。

高橋光成は背番号「13」で心機一転

2014年ドラフト1位で前橋育英高から西武へと入団した高橋光のデビューイヤーは衝撃だった。2015年8月にデビューを果たすと、ドラフト制後初となる高卒新人のデビュー月4勝をマーク。史上最年少での月間MVPに輝いている。この鮮烈なデビューで大きな期待を寄せられていたが、それ以降は故障もあり伸び悩んでいる。

2018年シーズンは3試合の登板で2勝1敗、防御率4.50。高卒4年目の若手と考えれば、悪くない数字なのかもしれない。しかし、1年目の輝きを憶えているファンからすると、物足りない部分もある。もちろん、これまでの成績に本人も納得していないだろう。

5年目となる2019年シーズンは、背番号も「13」に変わった。そう、西口文也投手コーチが現役時代に背負っていた重みのある番号だ。心機一転、1年間ローテーションを守り「次期エース候補」に名乗りを挙げたいところ。

高橋光は早生まれのため年齢こそ1つ下になるが、ドラフト1位の松本とは同学年となる。即戦力候補のドラフト1位にプロで4年間やってきた意地を見せたい。