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【ヤクルト】先発投手陣の奮起で球団設立50周年に傘の華を!

2019 1/17 11:00勝田聡
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現有戦力が豊富な2019年の野手陣

昨年は、2017年の96敗、借金「51」から貯金「9」と巻返しを図ったヤクルト。クライマックスシリーズで敗退したものの、その躍進は目を見張るものがあった。

今シーズン、選手たちは2位よりさらに上のリーグ優勝、そして日本一を目指して自主トレに励んでいる。また、チームも球団設立50周年という節目のため、好成績で終えたいはず。

野手陣に大きな変動はなく現時点の編成を見ると、谷内亮太とトレードで太田賢吾、ドラフトで中山翔太(法政大)と濱田太貴(明豊高)と吉田大成(明治安田生命)が加わっただけだ。もちろん1年目から活躍する可能性もあるが、FA選手のように即戦力でレギュラー確約といった選手は不在。

現有戦力としては、山田哲人、青木宣親、雄平、坂口智隆、ウラディミール・バレンティン……のようにリーグを代表する選手たちが複数揃っている。将来的に見れば35歳を超えるベテラン選手が多いという不安点はあるかもしれないが、2019年限定で見ると「十分に勝負できる」と言っても過言ではないだろう。

中継ぎは安定も先発に不安

一方、投手陣はどうだろう。8回、9回を任されるであろう近藤一樹と石山泰稚が健在で、梅野雄吾や中尾輝といった若手のセットアッパー候補もいる。また、ロングリリーフもこなせるデーブ・ハフに風張蓮や大下佑馬、さらにベテランの五十嵐亮太に加え、先発起用の可能性があるとはいえ寺原隼人もいる。新外国人投手としてスコット・マクガフも加入しており、中継ぎは充実してきた。

今シーズンの優勝を勝ち取るために課題となりそうなのは、先発投手陣だろう。6枠ある先発ローテーションのなかで確実と言えそうなのは、3年目を迎えるデービッド・ブキャナンとフォーム改造中の小川泰弘、そして2018年シーズン後半戦に躍進を見せた原樹理の3人だけ。

残りの3枠は春季キャンプ、オープン戦での調子を見極めながら、最終的に小川淳司監督がジャッジすることとなりそうだ。

高梨裕稔や高橋奎二に期待

その競争に加わりそうな投手は多く、現時点で1番近いのは日本ハムからトレードでやってきた高梨裕稔だろうか。2016年に新人王を受賞してから伸び悩んだが、それでも2018年シーズンは110回を投げ5勝をマークしている。環境が変わることで輝きを取り戻す可能性は十二分にある。

左腕の高橋奎二は、3年目となった2018年シーズンに待望のプロ初勝利をマーク。大きく振りかぶるフォームから繰り出される150キロ近いストレートの威力は抜群で、スライダーやチェンジアップといった変化球のキレもある。「ローテーションに入り中6日で投げる」というスタミナ面での不安はあるが、競争に加わることは確実だろう。期待の若手として大きな注目を浴びている。

外国人枠の関係もあり一軍確約とはいかないが、新外国人投手のアルバート・スアレスや星知弥、そして2018年ドラフト1位の清水昇(國學院大)にもチャンスはある。

もちろんベテランの石川雅規や館山昌平もローテーションの座を狙っている。特に石川はこの1月で39歳になるが、2018年シーズンはブキャナンに次ぐ110.2回(原とタイ)を投げ抜いている。全盛期に比べると衰えが見られるのは確かだが、豊富な経験を生かしチームを引っ張っていきたいところだ。

このように先発の枠を争う選手は豊富に揃っている。野手、中継ぎともに戦力が整ってきた今、先発投手陣の奮起があれば優勝も決して夢ではない。もちろん、2020年以降の将来に向けた育成も大事ではある。そのバランスを保ちながら、球団設立50周年に傘の華を咲かせることに期待したい。

2019年ローテーション候補投手の2018年成績