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矢野新監督の決断は? 激しい阪神の先発ローテーション争い

2019 1/13 07:00勝田聡
西勇輝,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

西、ガルシアの加入でローテーションが強固に

2018年オフシーズンは巨人の動きが激しい。丸佳浩、炭谷銀仁朗、岩隈久志らを次々に獲得し、ストーブリーグの主役を張っている。

その一方で阪神もこのオフに投手陣を中心とした大型補強を行った。FAで西勇輝(前オリックス)を獲得すると、中日の保留者名簿から外れたオネルキ・ガルシアをすぐさま補強。2018年シーズンの成績は西が10勝、ガルシアが13勝を挙げており、単純計算ではあるが23勝分の上積みを得たことになる。

11勝をマークしたランディ・メッセンジャーを含め3人の2桁勝利投手が在籍することとなった。必然的にローテーションの3枠は埋まったと言っていいだろう。残りの3枠をその他の投手陣で争うこととなる。

復権を目指す秋山、岩貞、そして藤浪

3枠を争うこととなる投手陣の候補は多くいる。実績で見ると岩貞祐太、秋山拓巳、そして藤浪晋太郎の3人が抜けている。

岩貞は2016年シーズンに10勝をマークするも、2017年は5勝、2018年は7勝とステップアップを図ることができなかった。一方の秋山は2017年シーズンに12勝をマークし、高卒8年目にしてブレイク。しかし、2018年シーズンは5勝10敗と期待に応えることができていない。

両投手とも2018年シーズンに期待を裏切ってしまったのは確かだが、2桁勝利の実績があり、ちょっとしたきっかけで立ち直ることも十分にありえる。体制を立て直し、復権を果たしたいところだ。

そして藤浪である。高卒1年目から3年連続で2桁勝利をマークし、大谷翔平(エンゼルス)とともにプロ野球界を引っ張っていく存在と見られていた。しかし、その後の3年間で成績が急落してしまう。2018年シーズンは5勝3敗と2つの勝ち越しだったが、防御率5.32と投球内容が戻ってきたとは言えない状態だ。高校時代からのライバルでもある大谷とは大きな差がついてしまった。2019年シーズンは背水の陣でローテーションを取り戻したい。

小野泰己、才木浩人ら若手も充実

2018年シーズンに2桁勝利をマークしたローテーション確実の3人、近年の実績者3人だけではない。阪神にはチャンスをうかがっている若手有望株が多くいる。

そのひとりが小野泰己だ。2016年ドラフト2位の右腕はルーキーイヤーこそ、なかなか勝ち星がつかず、2勝7敗とプロの壁を味わったが、2018年シーズンは7勝7敗。規定投球回には届かなかったが、126.1回を投げている。与四球81と制球面で課題があるのは事実だが、ポテンシャルは高い。3年目の飛躍に大きな期待がかかっている。

そして、2016年ドラフト組である才木浩人、浜地真澄のふたりだ。2018年シーズンに才木は先発・中継ぎ両方の役割で起用され、6勝10敗と高卒2年目としては上出来の数字を残している。一方の浜地は一軍登板はないものの、ファームでは9試合に登板し、防御率1.00と好成績。オフのアジア・ウインターリーグでは、打球が頭部へ直撃するアクシデントに見舞われたが大事には至らず。過去には先輩の岩貞が同ウインターリーグ後にブレイクしただけに同様の期待がかかる。

その他にも2017年ドラフト1位の馬場皐輔や同2位の高橋遥人、ベテランの岩田稔、青柳晃洋ら先発候補は豊富だ。2018年ドラフトで上位3人を野手で固めたのも、「2019年は現有戦力で戦うことができる」という判断があってのことなのは想像に難くない。

この戦力を矢野新監督はどのように活かしていくのだろうか。最下位脱出を目指す阪神の先発ローテーションに注目したい。

阪神ローテ表