大幅な戦力ダウンがあったものの3位でCSへ
2016年の日本一から一転、一昨年は5位と苦しんだ日本ハム。その低迷に追い打ちをかけるかのように、オフは戦力の流出が相次いだ。既定路線だったとはいえ、大谷翔平(現・エンゼルス)がポスティングシステムによるMLB移籍で退団。その他には大野奨太(現・中日)、増井浩俊(現・オリックス)がFAで国内移籍となった。ドラフトで清宮幸太郎を獲得したとはいえ、高卒ルーキー。期待は大きかったが、もちろん即戦力というわけではない。
大きな流出があったことで苦しいシーズンになることが予想されていた日本ハムは、やはり出足から躓いてしまう。西武相手の開幕カードで3連敗を喫したのだ。しかし、2カード目からは5連勝をマークし、勢いに乗ると4月下旬にも再び5連勝。開幕3連敗スタートながら3・4月を14勝11敗と貯金「3」で乗り切ったのである。
5月以降も勢いは衰えない。首位を走る西武に食い下がるように2位を走り続ける。6月にはゲーム差「0」まで追い詰めるほどの強さだった。しかし、西武をかわすことはできず、終盤に失速。最終的にはソフトバンクにも追い抜かれ、3位でシーズンを終了することになる。勝ちきれなかった面はあったが、一昨年の5位から戦力ダウンとなったにもかかわらず、クライマックスシリーズ出場を果たしたのは大躍進だ。
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チームの数字を見ると、そのどれもが安定している。打率.251、589得点、140本塁打、98盗塁はいずれもリーグ3位。防御率3.77はリーグ2位と突出している数字はないが、どの数字もまとまっていた。
個人で見るとと大きな躍進を遂げたのが上沢直之だろう。昨シーズンの上沢は初の2桁勝利となる11勝をマークし、防御率3.16はリーグ3位。4完投、3完封を記録しており、完投能力も高く、まさにエースに上り詰めた。救援陣では高卒4年目の石川直也の名前が挙がる。セットアッパー、守護神を任され52試合で19セーブ、18ホールド。防御率2.59は立派な数字だ。
野手陣では主砲・中田翔が復活。2年ぶりに打点が100の大台を超す106打点。本塁打も一昨年の16本から25本へと9本の増加。主将としてチームを引っ張ってきたと言っていいだろう。