借金24で昨季の3位から最下位転落
一昨年は夏場まで優勝争いを繰り広げたものの、終盤に失速し3位となった楽天。大きな戦力ダウンもなく、昨シーズンも優勝争いに加わるものと思われていた。しかし、開幕戦こそ白星を飾ったが2戦目から5連敗。4月下旬には7連敗を喫し、3・4月を6勝19敗1分と出足で躓いた。
その後も波にのることはできず、6月16日の試合に敗戦し借金が「20」になったことで梨田昌孝監督が辞任する。平石洋介監督代行で残りのシーズンを戦うこととなった。
平石監督代行効果なのか、7月は12勝7敗と一時的に息を吹き返したが、勢いは持続しない。58勝82敗3分の借金24でシーズンを終えた。一昨年のクライマックスシリーズ出場から、最下位に転落してしまった。
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チーム数字を見てみると打撃陣が結果を残せなかったことがよくわかる。打率.241、520得点、69盗塁はいずれもリーグ最下位だった。132本塁打もリーグ4位と完全に不発。ジャフェット・アマダーの薬物使用による出場停止、ゼラス・ウィーラーの故障、カルロス・ペゲーロの不振と外国人選手がそろって結果を残せなかったのが大きく響いた。
そのなかで光ったのが田中和基だ。2年目の田中はシーズン中盤から「1番・中堅」を任されると規定打席に到達し新人王も受賞。日米野球では日本代表にも選ばれている。また、「大砲候補」と呼ばれ続けながら、結果が出なかった内田靖人も12本塁打と覚醒の兆しを見せた。若手ふたりが希望となりそうだ。
投手陣では岸孝之がリーグ唯一の防御率2点台を記録し、最優秀防御率のタイトルを獲得。11勝4敗と7つの貯金を作り孤軍奮闘した。大きな誤算となったのは松井裕樹だ。序盤からリリーフ失敗が続き、中継ぎへと配置転換され二軍落ちも経験した。シーズン中盤以降に復活したが時すでに遅く、上位浮上のきっかけとはならなかった。
最終盤ではテスト的な意味合いで先発起用もされたため、今シーズン以降の起用法に注目が集まっていた。本人は契約更改後の会見で「救援で力を貸して欲しい」と平石監督から電話があったことを明らかにしており、来シーズンは中継ぎとして復活を目指す。