負け越しながらCSファイナルに進出
高橋由伸監督となって3年目のシーズンも苦しい序盤戦だった。開幕から2カード連続勝ち越しと好調に見えたが、4月6日から6連敗。4月末に8連勝したことで息を吹き返したように見えたが、5月(9勝14敗1分)、6月(10勝13敗)と2カ月連続負け越し。その後は、ほぼ勝率5割ペースで推移したが、序盤のマイナスが響き、67勝71敗5分と勝率5割を下回ってしまう。かろうじて3位に入り、クライマックスシリーズ(CS)に出場したが、全体的には不本意なシーズンだったと言えるだろう。
しかし、CSファーストステージでは2位のヤクルトに対し2連勝を飾りファイナルステージへと駒を進める。とくに2戦目は菅野智之がノーヒットノーランの快挙を達成する完勝だった。その勢いで乗り込んだファイナルステージだったが、広島の前に3連敗を喫し敗退となりシーズンを終えている。
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昨シーズンのチーム成績を見ると、リーグ1位の防御率3.79が光る。しかし、順風満帆だったわけではない。
規定投球回に達したのは沢村賞を受賞した菅野と山口俊のふたりだけ。山口俊はチーム事情で中継ぎに回ることもあったが、9勝をマークしており役割を果たしたと言っていい。一方で、田口麗斗、畠世周といった若手は結果を残すことができなかった。その穴を埋めたのがシーズン途中に育成から這い上がってきたC.C.メルセデスだ。途中昇格ということもあり13試合の登板だったが、5勝4敗、防御率2.05と活躍。育成契約からの掘り出し物だった。
中継ぎ陣ではアルキメデス・カミネロが不振、スコット・マシソンが故障となったのが誤算だった。その穴が最後まで埋まらず、山口俊や畠を配置転換して凌いだがシーズンを通して苦しんだ。
野手は4年目の岡本和真が打率3割、30本塁打、100打点をクリアする大ブレイク。また、坂本勇人も離脱はあったが、リーグ2位の打率.345と気を吐いた。しかし、このふたり以外は結果を残すことができず、期待された一昨年の本塁打王であるアレックス・ゲレーロも二軍期間が長く15本塁打に終わっている。