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巨人再契約の上原浩治は44歳で現役最年長 来季40代プレーヤーの顔ぶれ

2018 12/20 07:00青木スラッガー
来シーズン40歳以上の選手,2018年成績
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ⒸSPAIA

上原は巨人と再契約 来季の40代プレーヤー

巨人と再契約を結ぶことになった上原浩治は、来季で44歳になる。球団史上、この年齢で出場した選手はいない。現役引退の平均年齢が29歳前後のプロ野球界で、40歳を超えて現役を続けられる選手はほんの一握りだ。

今季の最年長プレーヤーは1000登板の偉業を果たし、中日一筋の選手生活に別れを告げた岩瀬仁紀だった。40代では他にも、西武・松井稼頭央、広島・新井貴浩、中日・荒木雅博が現役を退いている。

来季、上原含め40代プレーヤーはどんな顔ぶれになるのだろう。今季の活躍とチームでの立ち位置を振り返っておきたい。

来シーズン40歳以上の選手,2018年成績

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岩瀬に代わり、球界最年長プレーヤーとなる上原。今季は、日米通算成績で100勝・100セーブ・100ホールドの「トリプル100」を達成。先発・中継ぎ・抑えそれぞれで、長く活躍したことを示すプロ野球史上初の偉業となった。

5敗を喫するなど上原のキャリアからすれば不本意な成績に終わり、シーズンを通して勝ちパターンを務めることはできなかったが、要所ではさすがと思わせる投球もあった。

ヤクルトとのCS第1戦では5回二死のピンチで登場し、回を跨いで6回までを完璧に抑える見事な火消し。相手に傾きかけた流れを断ち切った。やはり抑えると、球場の雰囲気を一変させてくれるプレーヤーだ。

福浦・福留・山井も現役続行

上原のほかに、今季時点で40歳以上の選手のうち、来季も現役を続行するのは3人。2000本安打を達成したロッテ・福浦和也も上原と並ぶ球界最年長だ。

43歳の今季は4年ぶりの本塁打を放ったが、本塁打の最年長記録は1957年に東映・岩本義行が記録した45歳。あと1年とは言わず、さらに1年現役を続けられるだけの結果を残し、記録更新への挑戦権を得ることができるだろうか。

来シーズン40歳となる選手,2018年成績

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阪神加入7年目を迎える福留孝介は、未だ不動のクリーンナップを務める。チームトップの72打点、2位の14本塁打と代わりの利かない左の強打者だ。昨季の打率.263・OPS.818から、今季は打率.280・OPS.843と41歳にして成績を向上させている。

昨季2登板に終わった中日・山井大介も、40代を迎えて復活を果たした。10先発登板で、防御率4.04、3勝をマーク。5月には自身4年ぶりの完封勝利を果たしたが、40代での完封勝利は史上9人目、中日では山本昌以来2人目という快挙だった。チームが投壊の危機を迎えている中、黄金期を知る右腕にはまだまだ貴重な戦力として期待がかかる。

能見・阿部・石原が40歳に。五十嵐も現役続行を希望

来季40歳を迎える選手で所属が決まっているのは、セ・リーグの生え抜き3人。かつて阪神のエースだった能見篤史は、先発で結果を残せなかったがリリーフ転向で大車輪の働きをみせた。

リリーフ登板時は43登板・42投球回でわずか自責4点、防御率0.86と驚異的な成績をたたき出している。最初からリリーフのつもりでキャンプを過ごせる来季、さらなる快投に期待できるだろう。

岡本和真のブレイクで出場機会が大幅減になった巨人・阿部慎之助だが、OPS.785は今季のチーム左打者でトップ。やはりラインナップに並ぶと怖い存在といえる。今季は223打席で11本塁打をマークし、プロ野球史上19人目の400本塁打へ残り1本とした。来季は心機一転、4年ぶりの捕手復帰で臨むシーズンとなる。

出場機会が徐々に減少してきている現役捕手の広島・石原慶幸も、今季の出場数は58試合にとどまった。それでも、ジョンソン登板の際は全試合でスタメンマスクをかぶり、外国人左腕エースに絶対的な信頼を置かれている。来季は新井に代わるチーム最年長プレーヤーとして引き締め役も担う。

引退した40歳以上の選手 2018年成績

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もうひとり、40歳以上で現役続行を目指しているのが、戦力外となったソフトバンク・五十嵐亮太だ。2013年の加入以来ソフトバンクブルペンを支えてきたが、今季は23登板・防御率4.50に終わった。ここまで日米通算860登板。岩瀬の通算1000登板へ現実的なところまで迫る唯一の存在であるだけに、無事に新天地が決まってほしいところだ。

昭和に比べ選手寿命が伸びた近年、40代プレーヤーは珍しい存在ではなくなった。2015年は50歳の中日・山本昌を含め、40歳以上が21名になったほどだ。

しかし40歳を超えて尚、成績向上させた選手は少ない。最近では、40代で2度の2桁勝利をマークした山本と、ここ2年で98登板を果たしている岩瀬ぐらいだろう。来季の大ベテランたちは年齢に抗う活躍を見せられるだろうか。