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それぞれの道を歩む「松坂世代」 NPB現役は8人に

2018 12/18 07:00勝田聡
松坂大輔,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

松坂、藤川は主戦力として世代を牽引

今シーズンから中日に移籍した松坂大輔は周囲の雑音を一蹴し、規定投球回には届いていないものの6勝をマーク。現役では残り少なくなった「松坂世代」のトップが華麗に復活を遂げた。もちろん、来シーズンも現役続行し中日投手陣、そして球界を引っ張っていくつもりだ。

同じ松坂世代で主軸としての期待がかかっているのが、藤川球児(阪神)である。松坂と同じく1998年ドラフトで阪神に入団。当初は先発として起用されていたが、中継ぎに転向、JFKの一角として一時代を築きMLBへと移籍する。その後、独立リーグを経てNPBへ復帰。これまでに日米通算227セーブをマークしており、名球会まであと23セーブとなっている。

今シーズン、セットアッパーとして結果を残したこともあり、来シーズンは抑えで起用される可能性も出てきた。しかし、チームはラファエル・ドリスと再契約したこともあり、最終的な判断は矢野燿大新監督に委ねられるが、十分にチャンスはありそうだ。世代初の名球会入りへ向けひとつでも多くのセーブを積み重ねたい。

楽天は選手と首脳陣で共闘を

松坂、藤川だけではない。渡辺直人、久保裕也(ともに楽天)のふたりもおもしろい存在だ。渡辺は内野のユーティリティー、そして盛り上げ役としてチームを支えている。バリバリの主力ではないが、チームに欠かせない選手となっている。

契約更改後の記者会見では、新加入となった西武時代の後輩でもある浅村栄斗を引き合いに出し、「二塁のレギュラーを目指す、違うか(笑)」とセルフ突っ込みで場を和ませた。

一方の久保は、ここ3年連続で戦力外通告を受けていたが、2014年以来4年ぶりに戦力外とならず、笑顔で会見。「世代の最後までやる」とまだまだ現役でやっていく心意気を語っている。

両選手とも、レギュラーや先発ローテーション、勝ちパターンという花形ではないかもしれない。全盛期に比べると衰えを隠せないことは事実。しかし、チーム最年長として自身の役割を全うし、戦力としてだけでなく若い選手たちに背中を見せていくつもりだ。

また楽天は平石洋介監督、小谷野栄一、後藤武敏と新コーチふたりも松坂世代の一員だ。若い首脳陣だけに経験値は他球団のそれに劣るかもしれない。だが、渡辺、久保という同世代の選手が投打の最年長として在籍していることは心強いはず。同世代の繋がり、団結力で最下位からの脱出を目指していく。

和田、館山は崖っぷち

その他にもNPBで現役を続行する選手は多くいる。投手では和田毅(ソフトバンク)、館山昌平(ヤクルト)、永川勝浩(広島)野手では實松一成(日本ハム)がそうだ。

ただし、現役ではあるもののポジションの確約があるわけではなく、順風満帆とはいいがたい。

和田は故障もあり今シーズンの一軍登板はゼロ。先発投手陣は千賀滉大ら若手が充実してきており、実績があってもチャンスが巡ってくるかどうかはわからない。ファームで結果を残すことが前提となる。

館山は2015年に復活を遂げたが、翌2016年はわずか1勝。その後の2シーズンでは勝ち星がなく、来シーズンはまさに崖っぷち。進退をかけたシーズンとなることは想像に難くない。永川は中継ぎで22試合に登板しているが、1年を通して一軍での活躍はできなかった。年間を通して戦力となり、4連覇に貢献したいことだろう。

実松は選手としてではなく二軍でのコーチ業が役割の主だ。今シーズンも一軍での出場は1試合のみ。来シーズンも鎌ヶ谷で若手の育成を行っていく。

このように同じ現役の松坂世代でもチーム内での役割は大きく違う。誰が最後までユニフォームを着ていることになるのだろうか。これからも注目していきたい。