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来季から「日本人」となる阪神・メッセンジャー 過去に活躍した投手はいないが果たして

2018 12/13 11:15勝田聡
阪神タイガース,ランディ・メッセンジャー,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

日本人選手扱いとなる外国人選手はメッセンジャーで9人目

12月10日、阪神がランディ・メッセンジャーと来シーズンの契約合意に達したことを発表。メッセンジャーはFA権を取得しており、来シーズンから日本人選手扱いとなる。今シーズン11勝を加え、日本通算95勝となった助っ人が来シーズン38歳を迎えるとはいえ、日本人選手扱いとなるのは他球団からすると脅威となるだろう。

これまでの歴史を振り返ってみると、メッセンジャーまでに8人の外国人選手が日本人選手扱いとなっている。郭泰源、タフィ・ローズ、アレックス・ラミレス、アレックス・カブレラ、ブライアン・シコースキー、許銘傑、ホセ・フェルナンデス、ジェイソン・スタンリッジである。長く日本にいただけあり、ファンにとっても馴染みのある選手が名を連ねている。

そんな先輩外国人選手たちは、日本人扱いとなったシーズンにどのような成績を残しているのだろうか。

投手には厳しい現実?

外国人選手で最初にFA権を取得し日本人扱いとなったのは郭泰源(西武)。「オリエンタル・エクスプレス」の異名を持ち、1980年代後半から1990年代にかけて活躍した名投手だ。1996年に権利を取得し1997年から日本人選手扱いとなったが、前年からの故障もあり1試合の登板でオフに引退。日本人選手扱いとなった恩恵を受けることはできなかった。

日本人扱い投手表

ⒸSPAIA

ロッテ、巨人、ヤクルト、西武と渡り歩きリリーフとして活躍したブライアン・シコースキーは2010年に同権利を取得。2011年から日本人選手扱いとなったがわずか4試合の登板に終わり、こちらも戦力になることはできなかった。

外国人選手ながら、FA権を行使して移籍を果たしたのが許銘傑(西武→オリックス)だ。移籍初年度は防御率5.29ながら中継ぎとして37試合に登板している。しかし、その翌年はわずか1試合の登板に終わり同年オフにオリックスを退団となった。

昨シーズン中にFA権を取得したジェイソン・スタンリッジは日本人選手扱いながら、今シーズンの契約はなかった。

長打力自慢のローズやラミレス、カブレラが結果を残す

一方の野手はどうだろうか。2004年にタフィ・ローズ(巨人)が、外国人野手として最初の日本人選手扱いとなった。翌2005年は打率.240ながら27本塁打、70打点と長打力があるところを見せたが、オフに巨人を退団。1年離日したが、2007年にオリックスへ入団し日本復帰を果たすと、2年連続で40本塁打以上を記録している。

日本人扱い野手表

ⒸSPAIA

現在、DeNAで指揮を執るアレックス・ラミレスも巨人時代の2009年から日本人選手扱いとなった。その年は全試合に出場し打率.322、31本塁打、103打点と大活躍。MVPを受賞し日本一に大きく貢献した。それ以降も、結果を残し名球会入りも達成。最も成功した外国人選手の1人と言ってもいいだろう。

その後はアレックス・カブレラ(オリックス)、ホセ・フェルナンデス(楽天)も日本人選手扱いとなった。カブレラは往年のパワーはみられなかったものの、それでも24本塁打を記録している。一方、ホセ・フェルナンデス(楽天)は129試合に出場したものの、打率.243、3本塁打と結果を残すことはできていない。

このように過去の事例を見ると、野手に活躍選手が偏っており、投手で成功を収めたと言える選手は不在。メッセンジャーは初の成功事例となるだろうか。17年ぶりとなる単独最下位に沈んだ阪神を浮上させるためにも、その活躍に期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点