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今季不振だった阪神・鳥谷、楽天・茂木 来季「V字回復」で定位置確保なるか

2018 12/11 15:00勝田聡
鳥谷敬,安部友裕,茂木栄五郎,松本剛,ⒸSPAIA
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鳥谷は遊撃再挑戦、安部は定位置確保へ正念場

昨シーズン好成績を残しながら、今シーズンは成績を落としてしまった選手にとってこのオフは重要なものとなる。もう一度、輝くために例年以上の意気込みでトレーニングに励んでいるはずだ。そこはベテランも若手も関係ない。

矢野燿大新監督となった阪神の中心選手でもある鳥谷敬。今シーズンは連続出場試合記録も1939試合で途切れ、ルーキーイヤーの2004年以来14年ぶりに規定打席にも到達しなかった。少ない出場の中で残した打率.232はキャリアワースト。「世代交代」の波に飲みこまれても仕方のない成績である。

しかし、このオフに矢野新監督へ遊撃手として勝負したいと直訴。復活へ向け、あえて厳しいポジションでのチャレンジを宣言したのである。鳥谷の復活が、17年ぶりとなる単独最下位に沈んだチームを浮上させる起爆剤となるだろうか。ベテランの再チャレンジに注目が集まる。

鳥谷敬,安部友裕,ⒸSPAIA

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セ・リーグ3連覇を果たした広島の安部友裕も勝負の年となる。昨シーズンの安部は高卒10年目にしてブレイクを果たし自身初となる規定打席到達、そして打率3割を記録した。今シーズンも三塁のレギュラーとして期待されたが、打撃不振さらには骨折で成績を大幅に落としてしまった。

ただし、8月に復帰以降は打率.313(51打数16安打)と復調。日本シリーズ第3戦では満塁本塁打を放ち、存在感を示した。丸佳浩(広島→巨人)が抜け戦力の低下が叫ばれる中、復活を果たし再びレギュラーの座を掴み取りたいところだ。

茂木はコンバート視野、松本はライバル加入で勝負の年

パ・リーグにも再起にかける選手たちがいる。茂木栄五郎(楽天)もその1人だ。昨シーズンの茂木は主に1番打者としてチームを牽引。打率.296、17本塁打と切り込み隊長としての役割を十分に果たしており、3位躍進の原動力でもあった。

だが、今シーズンは故障もあり規定打席に届かず、盗塁を除いて各数値が大幅に悪化してしまった。そのため、首脳陣は守備の負担軽減を狙って、遊撃手から外野をはじめとした他ポジションへのコンバートも検討している。

茂木自身は遊撃一本で臨む姿勢を見せているが、浅村栄斗の加入で内野のポジション争いが激しさを増す中で、再びレギュラーとして輝く方法を考えていく必要がある。最下位から脱出するためには、「1番・茂木」の復調はひとつの鍵となるだけに、来シーズンの奮起に期待したい。

茂木栄五郎,松本剛,ⒸSPAIA

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昨シーズン、キャリアハイを更新し、大ブレイクを果たした松本剛(日本ハム)。その活躍が稲葉篤紀日本代表監督の目に止まり、アジアチャンピオンシップの日本代表にも選ばれた。その大会ではベストナインにも選ばれる活躍を見せ、順風満帆に成長していく未来が見えた。 しかし、今シーズンは開幕スタメンから外れるとその後も調子は上がらない。結局、54試合と大きく出場数を減らしてしまった。

松本は内野手登録だが主に外野を守っており、来シーズンは「大王」こと王柏融というライバルが加入。その他にも西川遥輝、大田泰示、近藤健介、淺間大基といった選手たちも控えている。指名打者や他のポジションとの兼ね合いもあるが、どちらにせよ競争に勝たねばならない。

来シーズンは、今年以上にキャンプ、オープン戦からレギュラー争いが激しくなるが、そこでライバルに競り勝つことができれば、飛躍の年になるはずだ。松本にとっては今後のプロ野球人生を賭けた勝負の年となる。