移籍して自身初の2桁勝利となった榎田大樹
今シーズンも多くの選手がブレイクを遂げたプロ野球。高卒4年目、22歳の岡本和真(巨人)もそのひとり。2017年までの通算本塁打がわずか1本だった岡本が、今シーズンだけで3割30本塁打100打点をマークし、日米野球の侍ジャパンにも選出された。来シーズンから3度目の指揮を執る原辰徳監督も絶賛している。
ブレイクといえば若手選手のイメージが強いが、今シーズンは若手とは言い難い選手もブレイクと言える活躍を見せた。
10年ぶりにリーグ優勝を果たした西武の榎田大樹だ。2010年ドラフト1位で東京ガスから阪神に入団した榎田は、今シーズン開幕前に岡本洋介とのトレードで西武に移籍してきた。
阪神時代の成績を振り返ると、初年度から中継ぎとして62試合に起用され、防御率2.27の好成績。その後、先発起用はあったもののほぼ中継ぎとしてプレーし、昨シーズンまでに196試合の登板を誇っている。ただ、好成績を残すことができたのは2年目までで、それ以降は結果を残せず、昨シーズンもわずか3試合の登板に終わっていた。
だが、今シーズンの榎田は違った。西武に移籍後は先発として起用されると、ローテーションの軸として自身初の2桁勝利となる11勝(4敗)をマーク。132.2回と規定投球回には届かなかったが、防御率3.32という結果を残している。中継ぎとしての実績はプロ入り1、2年目にあるが、プロ入り8年目32歳にして先発投手として大ブレイクを果たした。
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エースの菊池雄星がポスティングシステムでMLB移籍を目指すため、来シーズンはエース不在の見込み。チームとしては、榎田に数少ない先発左腕として、今シーズン同様の活躍を期待したいところだろう。