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来季の開幕投手に菅野が最速決定! 今シーズンの開幕投手はどうだった?

2018 12/5 07:00勝田聡
巨人,菅野智之,ⒸSPAIA
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菅野智之が最速で開幕投手に決定

ストーブリーグに突入したプロ野球だが、巨人は早くも来シーズンの開幕投手が決定した。今シーズン、2年連続となる沢村賞を受賞した菅野智之だ。原辰徳監督がすでに明言しており、アクシデントがない限り大役は揺るぎないはずだ。

1年の始まりでもある開幕投手はチームのエース、もしくはそれに準ずる投手となることがほとんどだ。チームによって、あるいは監督によって決定の方法は異なるが、前年の実績を見たうえで1年の軸となる投手が指名される。

さて、今シーズンの開幕投手12人は監督や首脳陣の期待に応えることができていたのだろうか。改めて12人の成績を振り返ってみたい。

菅野は開幕戦で崩れるもシーズンでは圧巻の成績

セ開幕投手表,ⒸSPAIA

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セ・リーグの6人を見ると半分にあたる3人が規定投球回に到達し、2桁勝利を達成した。そのなかでデービッド・ブキャナン(ヤクルト)は10勝11敗と負け越している。しかし、チーム最多の174.1回を投げ唯一の規定投球回到達を果たした。先発投手の台所事情が苦しいなか、一般的な中6日より短い間隔で投げることも多かった。勝敗以上に大きな存在だったことは間違いない。

菅野は全会一致で沢村賞を受賞していることからもわかる通り、圧巻の成績を残した。開幕から2試合連続で大量失点を喫したが、すぐに修正する。その後、徐々に成績を盛り返し、9月・10月には3試合連続完封をマークする活躍をみせた。今シーズン最終登板となったクライマックスシリーズでは、ノーヒットノーランの離れ業をやってのけている。チームは3位に終わったが、菅野はまさにエースとしての投球を見せてくれたと言っていい。

一方で石田健大(DeNA)、小笠原慎之介(中日)の両左腕は、ともに1年間ローテーションを守ることができず苦しんだ。とくに石田は2年連続の大役となったが、期待に応えることができていない。シーズン中には中継ぎも経験しており、この経験をプラスに捉え来シーズン以降に生かしたい。

来日9年目となったランディ・メッセンジャー(阪神)は途中離脱がありながら11勝をマーク。シーズンを通してローテーションを守れなかったが、173.2回を投げる鉄腕ぶり発揮。17年ぶりの単独最下位となったチームのなかで4つの勝ち越しは誇っていいはずだ。

優勝した広島の開幕投手は野村祐輔だった。7勝6敗と1つ貯金を作ったが、規定投球回に届かず119.1回と不本意な1年だった。大学時代からのライバルでもある菅野には、大きな差をつけられてしまった。

菊池、千賀はそれぞれ貯金を作りチームに貢献

パ新人投手表

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パ・リーグに目を移すと、4人が2桁勝利をマークし、同時に規定投球回にも到達している。各投手ともにシーズンを通してしっかりと役割を果たした格好だ。

菊池雄星(西武)、千賀滉大(ソフトバンク)と上位2チームの開幕投手は、それぞれ離脱期間があった。それにもかかわらず、菊池が10個、千賀は6個の貯金を作ったのはさすがの一言。エースとしてチームに貢献することができた。

西勇輝(オリックス)、涌井秀章(ロッテ)、則本昂大(楽天)の実績ある3人は、ともに負け越してしまった。エース級の結果を求められる3人で貯金を作ることができなかったのは、チームにとって大きな痛手だ。その結果がチーム低迷のひとつの要因となったといっても過言ではない。

意外な投手を開幕投手に指名したのは栗山英樹監督率いる日本ハムだった。来日1年目の新外国人投手であるブライアン・ロドリゲスをマウンドに送ったのだ。大谷翔平(現・エンゼルス)が抜け、エース候補でもあった有原航平がキャンプで出遅れといった事情があるなかでの抜擢だった。

しかし、ロドリゲスは3回途中8失点と結果を残すことができず、翌日に二軍落ちとなっている。その後は一軍、二軍を行き来しながら、先発で9試合に登板し3勝2敗でシーズンを終えた。開幕投手として1年間の軸になることはできなかったが、夏場以降は比較的、安定した投球を見せており来シーズンの契約もすでに合意。残留が決まっている。

来シーズンの開幕投手たちは1年間を通して活躍することができるだろうか。それが上位争いをするために必要なことのひとつでもある。大役に気後れせず、開幕戦そしてその後のシーズンでも軸となる投手としての投球を見せてくれることに期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点