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和田毅、佐々木千隼……今季一軍登板「0」からの復活を目指す投手たち

2018 11/30 07:00勝田聡
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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ベテラン・和田毅はリハビリも順調

2年連続日本一に輝いたソフトバンクだが、1年間苦しんだ選手もいる。ベテランの和田毅(ソフトバンク)だ。2016年にMLBの舞台から戻ってきた和田は、その初年度に15勝5敗(勝率.750)の成績で最多勝、最高勝率のタイトルを獲得した。

ところが、故障で離脱があり8試合の登板にとどまった2017年の成績は、4勝0敗、防御率2.49。そして今シーズン、一軍での登板機会はなく二軍での出場も2試合のみと苦しい1年間を送った。

リハビリを進めている現在は、離脱原因となった左肩痛の回復も進んでいる。もちろん、来シーズンは開幕からローテーションに入るつもりだ。今シーズン同世代の松坂大輔(中日)が今シーズン6勝(4敗)を挙げ、カムバック賞を受賞しみごと復活を果たした。これは、和田にとっても大きな刺激となったはず。チームの戦力として松坂に負けじ、三連覇に貢献したい。

2016ドラフト1位の佐々木千隼、加藤拓也

2016年ドラフト1位の佐々木千隼(ロッテ)も今シーズンは登板がなかった。1年目に15試合の登板で4勝(7敗)を挙げ、2年目の今年は先発ローテーション入りを期待されていた佐々木。だが、7月に右肘にメスを入れたこともあり一軍での登板は「0」。二軍でも9試合で防御率5.12と、いまひとつの成績に終わっている。ハズレ1位で5球団競合したポテンシャルの持ち主だけに、来シーズンは一軍で結果を残すことに期待がかかっている。

佐々木と同じく、2016年ドラフト1位の加藤拓也(広島)も苦しんだ。プロ初登板であわやノーヒットノーランの快投を見せた加藤だが、1年目はその1勝に終わってしまう。2年目の今シーズンは二軍で先発、中継ぎ両方の役割で起用され、20試合、6勝4敗1セーブ、防御率4.93の成績を残している。勝敗だけを見るとまずまずだが、76.2回で56与四球という投球内容は決してよくない。そのため1度も一軍昇格はなく、チームの3連覇に貢献できなかった。課題の制球面を克服し、来シーズンは一軍で結果を残したいところだ。

巨人・桜井俊貴、戸根千明のふたりも登板なし

3年連続優勝を逃した巨人では、桜井俊貴と戸根千明の両選手が一軍登板の機会を掴むことをできなかった。

2015年ドラフト1位の桜井は2年目の昨シーズン、中継ぎとして19試合に登板しており今シーズンの飛躍が期待されていたが、1度も一軍昇格のチャンスはなかった。しかし、二軍ではシーズン半ばから先発として登板し4勝をマークする。シーズンでは4勝0敗、防御率2.69と結果を残している。来シーズンはローテーション争いに加わりたい。

中継ぎ左腕の戸根千明もプロ入り4年目で初めて、一軍昇格が一度もなかった。二軍では14試合で防御率2.03と安定していただけに、中継ぎ左腕として昇格を目指したいところ。再び、初年度から2年連続で40試合以上に登板した輝きを見せてほしい。

このように、一軍での活躍が期待されながら一度も登板機会のなかった投手は多い。来シーズンこそ一軍で登板機会を得て、チームの勝利に貢献してほしい。