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今季不振だったT-岡田、川端慎吾 タイトルホルダーの復調が最大の補強となる

2018 11/19 07:00勝田聡
バッターⒸShutterstock.com
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2010年本塁打王・T-岡田

11月も半ばに入り、各チームとも来シーズンへ向けたチーム編成に余念がない。ドラフト会議で交渉権を獲得した選手との仮契約、新外国人選手の補強、そしてFA宣言選手や他球団を戦力外となった選手の調査などだ。

今シーズンまでチームに所属していなかった選手を来シーズンの編成に加えるだけではない。過去に輝かしい実績を誇りながら、今シーズン結果を残すことのできなかった選手の復活も戦力アップの1つの方法である。

復活への期待がかかる選手のひとりに、T-岡田(オリックス)がいる。高卒5年目となる2010年に33本塁打を放ち、本塁打王を獲得。主軸としてチームを背負っていくことが大きく期待されながらも、その後は故障と不振など様々な要因が重なり成績が伸び悩んでいた。

ところが全試合出場を果たした2017年、本塁打王を獲得した2010年以来7年ぶりに30本の大台を超え31本塁打を記録。ようやく復調したかに見えたのだが、今シーズンは97試合で13本塁打と再び低迷してしまい、チーム内での日本人大砲としての座も吉田正尚(26本塁打)に奪われつつある。

来シーズンこそは低迷からの復活を果たし、主軸として1996年以来となるリーグ優勝へチームを導きたい。

川端慎吾、角中勝也、長谷川勇也らにかかる復活への期待


復活が期待されるタイトルホルダーたちの2018年シーズン成績

ⒸSPAIA

近年、首位打者を獲得しながら今シーズンは不振にあえいだ選手も多い。たとえば、川端慎吾(ヤクルト)がそうだ。川端は2015年に攻撃的な2番打者として首位打者を獲得し、リーグ優勝に大きく貢献した。翌2016年は打率.302と結果を残したが、2017年はヘルニアの影響でシーズン全休。チームに貢献できなかった。そして迎えた今シーズンは、開幕直後に頭部死球を受けた影響もあり、97試合で打率.259とレギュラー定着後ではワーストの数字となってしまった。

来シーズンはレギュラー奪回を狙うがライバルも多い。メインポジションである三塁は、ベテランの大引啓次や若手のホープ・村上宗隆らが虎視眈々とレギュラーを狙っている。川端は1987年生まれで来シーズンはまだ32歳。年齢による衰えが出てくる頃ではあるが、中堅どころ、そしてタイトルホルダーとして復活を果たしたいところだ。

FA権を行使せずに残留を選択した角中勝也(ロッテ)もそうだ。角中は2012年、2016年と2度の首位打者を獲得しているが、ここ2シーズンは不本意な成績が続いている。故障があったとはいえ、ともに打率は2割6分台。2度の首位打者経験者としては少し物足りない。来シーズンからは、本拠地・ZOZOマリンスタジアムが改修され狭くなる。「地の利」を生かし、チームの上位浮上に貢献したい。

2013年に首位打者を獲得した長谷川勇也(ソフトバンク)も正念場だ。角中同様にここ2シーズンは結果を残せていない。昨シーズンは23試合、今シーズンは55試合と以前に比べ出場試合数も激減している。昨オフに手術した足首の状態に左右されるのは確かだが、再びレギュラー争いに名乗りをあげたいところだ。

近年のタイトルホルダーたちが、全盛期とまではいかないまでも復活を遂げることで、打線にも活気が出てくる。彼らが、再びグラウンド上での輝きを取り戻すことに期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点