「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

今季は山田と柳田だけ!意外に難関「20本塁打、20盗塁」

2018 11/12 07:00勝田聡
野球ボール,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

山田哲人は来シーズン「40-40」を目指す

今シーズン、山田哲人(ヤクルト)が打率.315、34本塁打、33盗塁で、前人未到の3回目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を達成した。スピードとパワーの両方を兼ね備えており、今のプロ野球界を代表する選手と言っても過言ではないだろう。

来シーズン、山田哲はトリプルスリーを超える「40本塁打、40盗塁」(40-40)を目指すという。日本のプロ野球史上だれも達成したことのない偉業に挑むのだ。

山田哲の活躍でトリプルスリーという言葉を頻繁に耳にするようになり、簡単に達成できるものと錯覚してしまいがちだが、決してそうではない。2リーグ制がスタートした1950年から今シーズンまでの69年間で、トリプルスリーが記録されたのは12回。複数回達成したのは、歴代で山田哲のみなのだ。

トリプルスリー

ⒸSPAIA

20本塁打、20盗塁も意外に難関

それでは、トリプルスリーを目指すうえで通過点となる「20本塁打、20盗塁」(以下「20-20」)は、どれだけの選手が記録しているのだろうか。

まず、今シーズンにおけるセ・リーグの打者を見ると、「20-20」に到達しているのはトリプルスリーを達成した山田哲ただひとり。一方のパ・リーグはトリプルスリー経験者の柳田悠岐(ソフトバンク)のみ。ハードルを「10」下げてみても、クリアする選手は少ないのである。

2017年シーズンに梶谷隆幸(DeNA)が21本塁打、21盗塁でこの記録を達成したが、球団(前身含む)史上3人目39年ぶりのことだった。2010年からの9年間で「20-20」を達成したのは、6人9回に過ぎない。それだけ達成が難しい記録なのだ。

20-20

ⒸSPAIA

田中和基に期待大!「超人」糸井嘉男も!?

これまでの結果を見る限り、現在のプロ野球界において山田哲、柳田がパワーとスピードで一歩も二歩も抜きん出ていることは疑いようのない事実だろう。では今後、「20-20」さらにトリプルスリーを達成できそうな選手は誰か。

主な打者

ⒸSPAIA

楽天の田中和基は2年目ながら「1番・中堅」に定着し、規定打席に到達。打率は終盤に落としたものの18本塁打、21盗塁で「20-20」まであと一歩に迫った。スピード、パワーともに申し分なく、首脳陣の評価も高い。来シーズンは他球団に研究されるが、厳しいマークをかいくぐって成績を向上させたいところだ。

さらには山賊打線を支えた秋山翔吾、外崎修汰(ともに西武)、そして上林誠知(ソフトバンク)の名前も挙がる。目を見張る俊足ではないが、スピードのある中距離ヒッターといったところだろうか。どの選手も1項目はクリアしているので、来シーズンの達成が期待できる。

ベテランの糸井嘉男(阪神)も16本塁打、22盗塁の成績を残している。来シーズンは38歳と衰えが来る可能性は否定できないが、「超人」と呼ばれる糸井だけに平然と快挙を成し遂げてくれるかもしれない。

山田哲と柳田の活躍に目を奪われがちだが、他にもトリプルスリーの候補者は数多くいる。来シーズン「20-20」、さらにはトリプルスリーを達成する選手は現れるのだろうか。順位や打順といったチーム事情にも左右されるが、新たな達成者が生まれることを期待したい。

※数字は2018年シーズン終了時点