長打力を発揮!65試合で32本塁打
2017年のオフに入団テストを受け、DeNAへ加入したソト。ケガの影響などでNPBデビューは5月6日とやや出遅れたが、この試合で早速アーチをかけると後半戦は65試合で32本塁打と爆発的な長打力を発揮。終わってみれば、チームでは2003年のタイロン・ウッズ以来となる来日1年目からの40号をクリアし、リーグの本塁打王に輝いた。
後半戦の32本塁打をもう少し詳細に探るため、球種別の内訳を算出した。結果はストレートから14本、変化球から18本とほぼ差がないように見えるが、ストレートは26安打中の14本が本塁打と非常に高い確率でスタンドまで打球を飛ばしていた。ストレートに対し、ここまで本塁打が多かったのはなぜだろうか。
まず成績向上の一因に、ストレートの見極めが良くなったことが挙げられる。後半戦はストライクゾーンのスイングが増えている一方で、ボールゾーンには手を出さなくなっていた。振るべきコースと振っても結果につながりづらいコースの判断が改善されれば、基本的には打撃に好影響を与える。
打球の性質にも変化が……
そして、スイングした後の結果である打球の性質にも変化が見られた。前半戦に比べて、ストレートを打ったときのフライ割合が9ポイント近く増加している。本塁打を放つには打球に角度をつける必要があるため、長距離砲といわれる選手はフライの多い傾向にあり、ソトの本塁打増にも関係がありそうだ。
フライの多い打者は長打が増えやすいとはいえ、内野フライが増えたのでは意味がない。この点でもソトは優秀なバッターで、ストレートに対する内野フライは後半戦でわずかに1つだけ。全フライに占める外野フライの割合はリーグトップと、打ち損じることなく外野に飛ばし続けた。来季はより厳しいマークが見込まれるが、この傾向が続けば2年目のジンクスと無縁でいられるだろう。
田中将大、前田健太、柳田悠岐らに代表される88年世代。実はソトも“88年世代”で、球界をけん引してきた黄金世代にまた1人新たな選手が加わったといえるだろう。帰国の際、「長く休むつもりはなく、すぐにトレーニングをしたい」と来季への意欲を口にするなど、来日1年目の活躍に浮かれた様子はなかった。2019年にどれだけのアーチを描くのか、注目の存在となるのは間違いない。
企画・監修:データスタジアム、執筆者:川畑 賢太郎