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楽天・松井、広島・大瀬良ら 2013年ドラフト組の現在地

2018 10/22 11:00勝田聡
大瀬良大地,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

すでに実績十分!松井、大瀬良、石川らはチームの中心に

来季以降の戦力補強に欠かせないドラフト会議が迫っている。ドラフトにおける成功と失敗はその場でわかるものではなく、その答えが出るのは5年~10年先になる。今回は今から5年前の2013年ドラフトを振り返ってみたい。当時の人気選手はどのような成績を残しているだろうか。

2013年のドラフト会議で注目を集めたのは、桐光学園高の松井裕樹だった。2年時に出場した夏の甲子園では、1試合22奪三振を記録。大きく曲がるスライダーを武器としており、高校生ながら即戦力候補として5球団が入札。抽選の末に楽天が交渉権を獲得し、プロ入りに至っている。

2年目からは守護神としてプレーし、第4回ワールド・ベースボール・クラシックでは日本代表にも選ばれた。今シーズンは不振に喘いでいたが、終盤戦では4年ぶりに先発として登板。及第点の成績を残し、来シーズン以降にさらなる飛躍の期待がかっている。

高校生で注目を集めたのが松井なら、大学生では九州共立大の大瀬良大地だ。3球団が入札し、広島が交渉権を得た。15勝をマークし最多勝と最高勝率の二冠を獲得した今シーズンは、エースとしてリーグ優勝にも大きく貢献している。

社会人では東京ガスの石川歩が2球団競合の末にロッテへ入団。1年目から新人王を受賞し、2016年には最優秀防御率のタイトルを獲得。昨シーズンから、やや低調だがチームの柱的存在であることは間違いない。

その他にも投手では田口麗斗(巨人)、秋吉亮(ヤクルト)、吉田一将(オリックス)、久里亜蓮(広島)、野手では森友哉(西武)、小林誠司(巨人)、上林誠知(ソフトバンク)といった面々がすでに実績を残している。

5年目に大ブレイクを果たした長距離砲

ドラフト入団から5年目の今シーズンに、大ブレイクを果たした選手もいる。そのひとりが山川穂高(西武)だ。昨シーズン終盤に本塁打を量産し、ブレイクのきっかけを掴んだ山川。今シーズンは「4番・一塁」としてチームを引っ張り、キャリアハイとなる47本塁打を放つ活躍。「山賊打線」の中核としてチームを優勝に導いた。

そしてもうひとり、ロッテの井上晴哉もブレイクを果たした。シーズン序盤から4番を任されると、打率.292、24本塁打、99打点とキャリアハイを大幅に更新。来シーズン、ロッテの日本人選手としては1986年の落合博満以来の30本塁打超えに挑む。

投手陣では加治屋蓮の活躍が印象的だ。昨シーズンまでの登板はわずか4試合。社会人出身のドラフト1位として大きく期待を裏切ってきた。しかし、今シーズンはセットアッパーとしてフル稼働。72試合に登板し35ホールドポイント、防御率3.38と結果を残した。同じく5年目の森唯斗が最多セーブのタイトルを獲得しており、まさに2013年ドラフト組がブルペンの軸となった。

その他にも遊撃手の定位置を掴んだ西浦直亨(ヤクルト)、正捕手を任された梅野隆太郎(阪神)らも今シーズン大きく飛躍を遂げたと言っていいだろう。

6年目の来シーズンこそブレイク間近の選手も

現時点で大きな実績はないものの、来シーズンのブレイクに期待がかかる選手もいる。今シーズン、二軍で本塁打王と打点王の二冠に輝き、初めての一軍出場も経験した和田恋(巨人)。来シーズンは、右の大砲候補として一軍定着を目指している。

同じく右の大砲候補である内田靖人(楽天)も、今シーズン58試合の出場で12本塁打を放ち大器の片鱗を見せた。日本人大砲不在のチームで存在感を示したい。

ドラフトで同時入団しても、直ぐに活躍する選手もいれば、今年開花した選手や来年以降に期待がかかっている選手もおり、注目される時期は様々だ。選手達にしてみれば「もう5年目」でもあり「まだ5年目」でもある。これまでに実績を残した選手は継続を、まだ実績のない戦手は今後の活躍を目指して欲しい。

※数字は2018年10月17日終了時点