「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

辰巳、中川ら各ポジションに逸材揃う 大学生野手のドラフト候補たち

2018 10/5 11:00勝田聡
バッター,ⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

立命館大の安打製造機・辰巳涼介

今秋のドラフトで大学生ナンバー1野手として、1位指名候補にも挙がっているのが辰巳涼介(立命館大)だ。1年春から試合に出場し続けており、今春のリーグ戦では通算100安打を達成。安打製造機として日本代表にも名を連ねていた。けっして打撃だけの選手ではなく、50メートル走で6秒を切る足の速さを生かし、中堅の守備もしっかりとこなしている。

辰巳のような右投げ左打ちの外野手、とくに中堅手となると球界でも中心選手が多く存在する。現役選手で見ると丸佳浩(広島)、秋山翔吾(西武)、青木宣親(ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)、西川遥輝(日本ハム)らがそうだ。

ただし、球界には右投げ左打ちの外野手が数多くいるため、指名の優先度は下がる傾向が強い。そんな飽和している外野手であるにも関わらず、1位指名候補として名前が挙がることからも辰巳の期待値がうかがえる。

東洋大・中川圭太はPL学園高OB最後のドラフト指名となるか

1980年代から桑田真澄(元巨人他)、清原和博(元西武他)、立浪和義(元・中日)をはじめ、現役では福留孝介(阪神)、前田健太(ドジャース)と多くの名選手を輩出してきたPL学園高。しかし、2016年夏の大会を最後に休部となっており、現在高卒ドラフトにかかる選手は存在しない。そんな中、今秋のドラフト候補に挙がっている東洋大・中川圭太は、PL学園高出身で最後のドラフト候補として注目されている。

高校時代にもプロ志望届を提出したが、名前を呼ばれず悔しい思いをした中川。その悔しさをバネに大学1年春から試合に出場し、今春のリーグ戦では二塁のポジションでベストナインを受賞するまでに成長。

圧倒的パワーや技術があるわけではないが、コンタクト能力は高く守備位置が二塁というのも心強い。PL学園高出身選手で最後のプロ入りとなるか。

スラッガー候補の法政大・中山翔太

法政大の三塁を守る中山翔太も、スラッガー候補として評価されている。履正社高時代は春のセンバツで準優勝、大学進学後は日本代表にも選ばれた。今春のリーグ戦では、サイクル安打も達成。このような実績がある中山の持ち味はやはりパワーだ。

今秋はすでに2本塁打を記録し、大学通算も10本塁打と節目の2桁に到達している。ドラフト1位候補ではないが、右の長距離砲候補はどの球団も手に入れたいはず。186センチ・95キロのガッシリとした体格にプロの技術が加われば、将来の本塁打王も期待できる素材だ。スラッガー不足に悩む球団が上位で指名する可能性もある。

渡辺佳、頓宮らその他のドラフト候補たち

横浜高の監督として、甲子園で数々の実績を残してきた渡辺元智元監督。その孫にあたる渡辺佳明(明治大)は1年時から三塁のポジションに座り、日本代表にも選ばれている。今春からは遊撃も守っている万能型で、「名将の孫」という肩書きから脱却すべく活躍に期待がかかる。

大学日本代表で4番も務めた頓宮裕真(亜細亜大)も、「打てる捕手」として注目されている。打撃を生かすために一塁での起用も多く、プロ入り後は球団によって育て方が変わるかもしれない。しかし、今年のドラフト候補ではトップクラスの捕手だ。「打てる捕手」でいくのか、内野に専念するのか楽しみだ。