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巨人・岡本が大ブレイク! 高卒4年目で急成長をみせた選手達

2018 9/13 11:03勝田聡
プロ野球,岡本和真,巨人,山田哲人,鈴木誠也,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

球団史上4人目! レジェンド達と肩を並べる本塁打記録

高卒4年目の若武者である岡本和真が今シーズン途中から「巨人軍・第89代4番」としてチームを引っ張っている。今シーズンの岡本は開幕スタメンをつかみ取ると、2試合目に本塁打を含む4安打と大暴れ。その後、一時的に調子を崩したものの、高橋由伸監督の我慢強い起用もあり、調子を取り戻した。

その後、9月に入っても勢いは衰えておらず、9月1日から4試合連続本塁打を放ち、クライマックスシリーズ出場争いの真っ只中、チームに大きく貢献。これまでに打率.312、30本塁打、93打点と文句ない数字をたたき出しており、強打者の証でもある「打率3割・30本塁打・100打点」も射程圏内である。

また、この「高卒4年目のシーズンで30本塁打」に到達したのは王貞治、松井秀喜、坂本勇人に次いで球団史上4人目。いずれも巨人の歴史に名を刻むようなレジェンド達と肩を並べたことになる。

高卒4年目で成績急上昇 飛躍を遂げた選手達

さて、球界を見渡すと、この岡本のように高卒4年目から急激に成績が伸びた選手は他にもいる。

そのひとりに、現役選手では中田翔(日本ハム)がいる。大阪桐蔭高から2007年ドラフト1位で日本ハムに入団するも、故障もあり3年目(2010年)までは大きな実績はなかった。しかし、4年目(2011年)のシーズンは「7番・左翼」で開幕スタメンを勝ち取ると、5月末頃から4番も経験。143試合の出場を果たし、打率.237、18本塁打、91打点と、日本の4番になる第一歩を踏み出す成績を残している。この飛躍があり、中田は日本ハムの4番として定着することになったのだ。

中田と同学年で、昨シーズンのセ・リーグMVPの丸佳浩(広島)も4年目(2011年)に飛躍した。前年の14試合から131試合へと出場試合数を大きく伸ばし、チームの中心選手への足がかりを掴んでいる。

また、今シーズン、3度目のトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁以上)を目指している山田哲人(ヤクルト)も大ブレイクしたのは高卒4年目(2014年)だった。前年に94試合の出場を果たしていた山田は、4年目には143試合出場し、打率.324、29本塁打、89打点の成績を残し、一気に名前が全国へと知れ渡ったのである。

鈴木誠也(広島)もブレイクしたのは高卒4年目(2016年)だった。オリックスとの交流戦で2試合連続サヨナラ弾を放ち、緒方孝市監督から「神ってる」と呼ばれたシーズンだ。この年をきっかけに鈴木も広島の主軸へと成長し、昨シーズンは新井貴浩に変わって4番を任されるようになっている。

高卒4年目で飛躍を遂げた選手(表)

ⒸSPAIA

中田、丸、山田、鈴木と日本を代表する選手達が飛躍するきっかけとなった高卒4年目のシーズン。その成績を比較してみると、30本塁打に到達している選手はひとりもいない。さらに、打点は鈴木の95打点が最多となっており、すでに射程圏内だ。

チームにとっても、クライマックスシリーズ出場争いを勝ち抜くために岡本の打棒は欠かせない。岡本は残りのシーズンでどこまで数字を伸ばし、チームを引っ張ってくれるのだろうか。高卒4年目、岡本の打席は今後も要注目だ。

※数字は2018年9月12日終了時点