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阪神・板山が異色のコンバート 外野手から二塁手への起用は成功となるか

2018 9/5 07:00栗栖章
プロ野球,阪神タイガース,板山,コンバート
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まさかの二塁手スタメン起用

8月29日、阪神の板山祐太郎が「1番・二塁」でスタメン起用された。この起用には驚いたファンも多かっただろう。今シーズン阪神の二塁は、開幕直後こそ上本博紀と鳥谷敬らの併用が続いたが、上本がケガで離脱後は、糸原健斗がそのポジションを務めていた。特に6月以降、「1番・二塁」は糸原の定位置となっていた。

もっとも、板山の二塁スタメン起用に驚いた理由はそれだけではない。板山は外野手登録であるにも関わらず、二塁手として起用されたのだ。板山はこれまで一軍の試合で二塁手として起用されたことはない。2016年に三塁手として1試合だけ守備についたことはあるが、内野手としての起用はそれだけだ。

だが、阪神の二軍事情に詳しいファンであれば、そんなに驚くべきことではなかった。というのも今季、板山は二軍で46試合二塁手として起用され、遊撃手としても13試合出場しており、内野手として鍛えられてきたのだ。このことを知っているファンは、板山が一軍に昇格した時点で二塁手として起用されることを想像できていたかもしれない。

外野手から内野手へのコンバート

いきなり二塁手でのスタメン起用には驚きもあり、不安に思うファンの声もインターネット上からは聞こえてきた。

しかし、この試合の5回表、無死一塁から山田哲人が放ったセンターへの打球を板山が飛びついて見事捕球。そのまま打球を二塁手にトスし、アウトをとった。これは、板山の内野守備に不安を持っていたファンにとって、嬉しい誤算だろう。起用した金本監督も「してやったり」といった表情を浮かべていた。

そもそも板山の獲得は、金本監督が板山の身体能力の高さに惚れ込んだことがきっかけだったという話もある。まさに秘蔵っ子と言える選手の活躍は嬉しかったに違いない。

内野手から外野手へのコンバートはともかく、その逆のコンバートはなかなか聞かない。かつてロッテの荻野貴司が外野手から遊撃手へとコンバートを図ったことがあったが、これもすぐに頓挫し、外野手へと戻った。

異色とも言える外野手から内野手へのコンバート。板山の今後に注目が集まる。