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源田、秋山、浅村ら 大当たりが続く西武のドラ3指名

2018 9/4 11:00勝田聡
源田壮亮,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

山賊打線に5人の「ドラ3」

今シーズンの西武は開幕から一度も首位を明け渡すことなく、ここまで走りつづけてきた。その原動力はやはり「山賊打線」と称される破壊力のある攻撃陣だろう。1番から9番までどこからでも点の取れる恐怖の打線は、12球団トップとなる642得点を記録している。

その主力メンバーを見るとドラフト1位や2位ではなく、3位で入団した選手が多いことに気づく。1番から3番を任せられている、秋山翔吾、源田壮亮、浅村栄斗は全員ドラフト3位。4番を任されている山川はドラフト2位だが、最近5番に起用されている外崎修汰、そして主にレフトのスタメンとして起用されている金子侑司も含めると、スタメンに名を連ねる9人中5人がドラフト3位なのだ。

3位指名から主力がよく育つ西武 古くは西口や松井稼頭央も

ここで、過去10年間の3位指名選手を振り返ってみると、前述の野手5人に、ルーキーの伊藤翔、中継ぎ左腕の野田昇吾の投手ふたりを加え、なんと10人中7人が現在1軍の戦力となっている。これはもちろん12球団トップの数字で、次に多いのがオリックスの6選手(西勇輝、山田修義、伏見寅威、若月健矢、大城滉二、福田周平)。比較すると、西武は人数の多さもさることながら、主戦力として活躍している選手が目立つ。

埼玉西武ライオンズ,ドラフト3位,ⒸSPAIA

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また、西武のドラフト3位で「当たり」が多いのは、なにもここ数年の話というわけではない。過去には1992年豊田清、1993年松井和夫(現:稼頭央)、1994年西口文也と3年連続でチームの主力として活躍した選手を獲得。以降も2000年の帆足和幸、2004年3巡目の片岡易之(現:治大)と着実に3位(3巡目)指名を戦力へと変えてきたのである。

1位指名はバッテリーの補強が中心

西武のドラフト3位から主力へと成長した選手が多いのは事実だが、決してドラフト1位・2位の上位指名選手が戦力になっていないわけではない。今シーズン、先発ローテーションを守っている菊池雄星、十亀剣、多和田真三郎の3投手はいずれもドラフト1位指名である。

菊池は8月31日に今シーズン10勝目をあげ、3年連続での2桁勝利を達成。今季の優勝を置き土産に今オフのメジャーリーグ挑戦もささやかれており、いまやリーグを代表する投手である。多和田も今シーズン自己最多の勝利数を更新し続け、現在12勝(5敗)とエース級の活躍。また、高橋光成、今井達也と夏の甲子園優勝投手のドラ1コンビもローテーション入りに向け、奮闘中だ。

そして、森友哉、炭谷銀仁朗の捕手陣もドラフト1位指名。2位でも4番山川に加え、野上亮磨(現・巨人)、牧田和久(現パドレス)といずれも主戦力となる選手の名前が上がる。

このように、西武はドラフト1位・2位で獲得した選手が活躍している上に、多くのドラフト3位指名選手が主力を担っているのだ。選手を育成する土壌があるのはもちろんだが、3位指名でも粒ぞろいの選手たちを獲得している西武の「目利き」には目を見張るものがある。

ドラフト3位指名の成功が、首位を快走する西武の原動力となっていることは間違いない。今秋のドラフトでも西武の3位でどんな選手が指名されるか注目だ。

※数字は2018年9月2日終了時点