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山田バレ9発、浅村山川10発。バース掛布のアベック弾記録更新へ絶好調

2018 8/8 11:00青木スラッガー
山田哲人,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

山田バレ「YB砲」・浅村山川「AY砲」がコンビで本塁打量産

打線に強打者を2人並べると、互いの力を活かしあい「1+1」が3にも4にもなる。かつて、王貞治と長嶋茂雄の打順3番4番コンビは「ON砲」と言われ、今も語り継がれる偉大な実績を残している。今シーズンのプロ野球は、そんな「長距離砲コンビ」の再来ともいえるコンビが両リーグで目覚ましい活躍を挙げている。

コンビとして両リーグ最多の本塁打52本を放っているのは、ヤクルトの山田哲人・バレンティンの「YB砲」だ。単独の本数はどちらもセ・リーグトップの26本。リードオフマンの役割を期待され1番に入ることが多かった山田は、中盤戦から3番固定となり、4番のバレンティンと最強コンビを結成。山田は7月に7本塁打で月間打率4割超え、バレンティンも6本塁打で月間打率3割半ばと、気温の上昇とともにコンビで勢いを増してきた。

パ・リーグの長距離砲コンビは、西武の浅村栄斗・山川穂高「AY砲」だ。浅村がリーグ4位タイの22本、山川が両リーグトップの28本と合計50本の本塁打数は「YB砲」に肉薄し、打点はこちらが圧勝。開幕から不動の3番・4番コンビは共に打点81とリーグ同数トップで、「YB砲」の146打点を大きく上回る162打点をたたき出している。「AY砲」も7月は計15本塁打と夏を迎え絶好調だ。

「YB砲」9発!「AY砲」10発!両コンビはアベック本塁打も多い

トリプルスリー男とシーズン本塁打記録保持者が組む「YB砲」と、球団史上最強レベルの破壊力の山賊打線で中核を担う「AY砲」。この甲乙つけがたい右の長距離砲コンビは、同じ試合で本塁打を打つ「アベック本塁打」も非常に多い。

山田・バレンティンは8月2日の広島戦で、今シーズン9回目のアベック本塁打を達成。「YB砲」がアベック本塁打を放った試合でヤクルトは9戦8勝(勝率.889)し、5月3日中日戦から7連勝中となっている。

浅村・山川は、7月31日ソフトバンク戦で今シーズン10回目のアベック本塁打を達成。「AY砲」がアベック本塁打を放った試合は開幕から8連勝を記録し、現在の戦績は10戦9勝(勝率.900)だ。

他チームの主な長距離砲コンビのアベック本塁打としては、合計46本の柳田悠岐・デスパイネが4回。42本の中田翔・レアードが3回。41本の丸佳浩・鈴木誠也が3回となっている。仲良くアーチが飛び出し、それがチームの勝利に直結しているのが、今シーズンの二組なのだ。

アベック本塁打のシーズン記録はバース掛布16発……記録更新なるか!?

アベック本塁打のシーズン記録を振り返ると、最多はバース・掛布雅之のコンビだ。阪神が日本一を達成した1985年、岡田彰布を加えた伝説の「バックスクリーン3連発」を含めた16回である。三冠王の3番・バースは54本塁打、134打点。4番・掛布は40本塁打、108打点。合計94本塁打、242打点をたたき出した。

バース掛布に次ぐのは、2008年巨人の小笠原道大とラミレス、通称「オガラミ」の15回だ。3番・小笠原が36本塁打、96打点。巨人加入初年度の4番・ラミレスが45本塁打、125打点。合計81本塁打221打点をたたき出した。アベック本塁打が出た試合はなんと15戦全勝で、このときの巨人も2連覇となるリーグ優勝を果たしている。

「YB砲」「AY砲」のアベック本塁打回数はどこまで伸びるだろうか。山田・バレンティン、浅村・山川はいずれも「夏男」といえる選手たちだ。7月か8月の月間MVP受賞経験があり、夏場に調子を上げてくるシーズンが多い。このまま上昇気流に乗りバース掛布の記録を更新できるか。

※成績は8月5日終了時点