ドラフト候補の躍動で初戦を突破
史上初となる2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)の初戦は、2016年の王者である作新学院(栃木)だった。大阪桐蔭は序盤に根尾昂の三塁打を足がかりに1点を先制するが、その後は両チームとも譲らず8回表まで1対0と緊迫した展開でゲームは進んでいく。
そして迎えた8回裏、大阪桐蔭は2死二塁のチャンスからドラフトでも注目されている藤原恭大の適時打に相手の失策がからみ2点を追加する。作新学院は9回に1点を返したものの、3対1で大阪桐蔭が勝利している。
圧倒的な破壊力はなかったものの、攻守ともにレベルの高い野球を見せた大阪桐蔭が初戦の難関を突破した。また、今秋のドラフト候補でもある根尾、藤原はそれぞれ得点に絡み、エースの柿木蓮は9回1失点完投勝利。役者がしっかりと役割をこなした格好だ。次戦は初出場の沖学園(南福岡)と対戦する。
浅村、中田が打点王を争い、平田は首位打者を目指す!
甲子園ではドラフト候補たちが躍動した大阪桐蔭だが、すでにプロ入りしているOBたちはここまでどのような成績を残しているのだろうか。
同校OBは浅村栄斗(西武)、平田良介(中日)、中田翔(日本ハム)など16名の選手が現役でプレーしている。
なかでも今シーズン好調なのが浅村と平田だ。浅村は開幕から首位を走る西武の「3番・二塁」としてここまで全試合に出場中。打率は3割を超える(.315)を記録しており、キャリアハイとなる2013年の(.317)に迫る勢いだ。また本塁打の数は22本。こちらも同じく2013年の27本を更新することに期待がかかっている。また81打点は打点ランキングトップタイでもある。今シーズン序盤に国内FA権を取得しており、好成績をひっさげて今オフのFA市場に出てくるかもしれない。
また平田も例年になく調子がいい。打率.322は現時点で首位打者となっており、キャリア初となる規定到達での打率3割だけでなく、打撃タイトルも射程圏内だ。昨シーズンは開幕前の第4回ワールド・ベースボール・クラシックに日本代表として参加したものの、シーズンは故障もありわずか66試合の出場にとどまっていた。昨年の分も今シーズンは取り返す勢いだ。
平田と同じく昨シーズンはどん底だった中田も今シーズンは好調だ。81打点は同校の後輩でもある浅村とならびパ・リーグトップタイ。すでに19本塁打を放っており、昨シーズンの16本塁打を更新した。OPS.834は2013年の(.932)に次ぐキャリア2番目の数字でもある。4番として、そしてキャプテンとしてチームを引っ張っている。
中村、澤田とその他のOBも活躍中
その他のOBも結果を残している。浅村のチームメートでもある中村剛也、森友哉は山賊打線として、チームの勝利に大きく貢献。中村は序盤こそ不調だったものの、7月には打率.300、8本塁打、15打点と調子を上げていた。8月序盤の首位攻防戦では2本の3点本塁打を放ち勝負強さを見せている。
現在、右脇腹を痛めたことで離脱してしまったが澤田圭佑(オリックス)も21試合に登板し、3勝0敗5ホールド、防御率2.15と中継ぎとして貢献していた。オリックス中継ぎ陣も苦しい状況だけに復帰が待たれている。
このように、プロ野球界でも大阪桐蔭勢は結果を残しているのだ。後輩たちが偉業に挑むなか、先輩としてプロの世界で結果を残し続けたい。
【大阪桐蔭高出身現役プロ野球選手・今シーズン成績】
中村剛也(西武)
51試合/打率.207/14本/29打点
岡田雅利(西武)
35試合/打率.328/3本/6打点
浅村栄斗(西武)
94試合/打率.315/22本/81打点
森友哉(西武)
87試合/打率.296/11本/58打点
岩田稔(阪神)
3試合/0勝2敗/防御率3.45
西岡剛(阪神)
18試合/打率.152/0本/1打点
西田直斗(阪神)
一軍出場なし
藤浪晋太郎(阪神)
9試合/2勝3敗/防御率6.34
中田翔(日本ハム)
94試合/打率.275/19本/81打点
高山優希(日本ハム)
一軍出場なし
江村直也(ロッテ)
24試合/打率.000/0本/0打点
香月一也(ロッテ)
一軍出場なし
山足達也(オリックス)
18試合/打率.167/0本/4打点
澤田圭佑(オリックス)
29試合/3勝0敗5H/防御率2.15
平田良介(中日)
94試合/打率.332/5本/36打点
青柳昴樹(DeNA)
一軍出場なし
※数字は2018年8月5日終了時点