野手は神里と吉川尚がレギュラーとして好成績!
昨シーズンのセ・リーグ新人王は京田陽太(中日)だった。ドラフト2位で日大から中日へ入団すると、開幕からスタメン遊撃手として試合に出場。そのままレギュラーの座を明け渡すことなく年間通して試合に出続け、最終的には141試合に出場。打率.264、4本塁打、36打点、23盗塁の成績を残し、新人王を受賞。アジアCS日本代表に選ばれるほどの活躍を見せた。
今シーズンのセ・リーグ野手を見渡すと、候補となりそうなのはルーキーの神里和毅(DeNA)と2年目の吉川尚輝(巨人)だろう。
神里は開幕戦でスタメンを勝ち取ると2戦目でマルチ安打を記録し、そのまま外野のレギュラーを確保した。しかし、その後は調子のアップダウンが激しく、7月上旬に二軍降格となってしまう。後半戦に入り一軍に戻ってきたが、ここから調子を上げることはできるだろうか。現時点で打率.249だが、まずは3割を目指したい。
今シーズン、二塁のレギュラーを獲得した巨人の吉川尚も候補のひとりだろう。大学の先輩である菊池涼介(広島)ばりの広い守備範囲でチームを支えている。坂本勇人が故障離脱したことで後半戦開幕早々に遊撃のポジションへと変更があったが、大学時代の定位置だけに大きな不安はないだろう。打率.240と打率が高いとは言えないだけに、打撃面の向上を図りたいところ。2割台後半まで打率を上げられれば、新人王のチャンスはあるかもしれない。
【セ・リーグ新人王候補<野手>】
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DeNA・東が大きくリードか?
投手に目を向けると、東克樹(DeNA)の成績が一歩抜けている。ここまで14試合に登板し、チームトップの7勝(4敗)をマーク。防御率2.72はセ・リーグ4位、83奪三振も同6位とリーグ屈指の投球を見せているのである。
しかし、好調な一方で、ここにきて不安材料も出てきた。7月20日の阪神戦で、左人差し指の皮がめくれて緊急降板、翌日登録抹消となってしまったのだ。もし、これが長引くようだと新人王へ黄色信号が灯ってしまう。DeNAは濵口遙大(2017年)、今永昇太(2016年)と新人左腕が快投を見せたものの、ともに規定投球回には到達せず、新人王も逃している。東は先輩ふたりが届かなかった新人王受賞となるだろうか。ここからの投球に注目したい。
中継ぎ投手では新人の鈴木博志(中日)、2年目の中尾輝(ヤクルト)がともに勝利の方程式としてチームになくてはならない存在となった。鈴木博はチーム事情もあり、7月に入りクローザーへと転向した。月間防御率こそ4.76だが、失点したのは7試合中1試合のみと結果を残している。
ここまで中尾もチームトップの43試合に登板し、7勝3敗11ホールドの成績を残している。開幕当初は楽な場面での登板が多かったが、そこで結果を残し試合終盤の7回、8回を任されるほどの信頼を勝ち取ったのだ。
鈴木博、中尾ともにシーズン途中からの役割変更だけに最多セーブや最優秀中継ぎのタイトルはむずかしいかもしれない。しかし、1試合でも多くチームの勝利に貢献することで、わずかかもしれないが、新人王への道は拓けてくるはずだ。
投手陣は東が鈴木博、中尾を大きくリードしている。野手の吉川尚、神里と比べてもやはり東の方が優位と言っていいだろう。しかし、シーズンはまだ60試合近く残っており、ここからなにが起こるかわからない。優勝争いとともに最後まで新人王争いを見届けたい。
【セ・リーグ新人王候補<投手>】
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※数字は2018年7月25日終了時点