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正念場の西武「炎獅子」快進撃の再来なるか「獅子風流ユニ」が20日からスタート

2018 7/14 11:00青木スラッガー
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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西武「獅子風流」ユニフォーム期間が20日からスタート

西武が7月20日から「ライオンズフェスティバルズ2018」を開催する。「ライオンズフェスティバルズ」は、所沢移転40周年記念事業の一環として2016年に始動した夏の大型イベント。8月16日まで期間中の計21試合、選手たちは限定の「獅子風流(ししぶる)」ユニフォームを着用して戦う。

獅子風流ユニフォームは爽やかなブルーを基調としたデザインで、青い空に白い風がなびくような模様により、球団歌にある「空青く、風白く」の歌詞が再現された。また黄金期のユニフォームにあった、襟・袖の赤と緑のラインが復活。鮮やかな青白の柄はインパクト抜群だが、往年のファンには懐かしさも感じさせる仕上がりとなっている。

西武の夏季限定ユニフォームといえば、昨年は赤い「炎獅子(えんじし)」が大きな話題となった。「獅子風流」の今年も、ライオンズファンはあの快進撃の再来を期待していることだろう。

期間中20勝4敗 昨年は快進撃を見せた「炎獅子」ユニフォーム

昨年の「ライオンズフェスティバルズ」は7月21日から開催。この日まで西武は3連敗していたのだが、炎獅子ユニフォームを着用すると、球団59年ぶりの13連勝に。その後も勝ちを重ね、8月17日まで炎獅子ユニフォーム着用試合は「20勝4敗」という驚異的な勝率を記録した。

縁起の良い炎獅子ユニフォームは期間終了後もファンから再着用を望む声が多く挙がり、9月半ばの3カードで復活する。このときも7点差をひっくり返す大逆転劇勝利があるなど、再び炎獅子の快進撃は続いた。さらに10月のクライマックスシリーズでも再々復活となるのだが、これは選手・監督から「炎獅子でCSを戦いたい」という要望が出たことによるものだった。

西武が炎獅子ユニフォームで快進撃を見せた時期は、今ではチームの顔となっている選手の大ブレイクもあった。昨シーズン、中盤戦までは長く二軍にいた山川穂高だ。

炎獅子ユニフォーム期間に入った7月下旬頃から、スタメン定着を果たした山川。8月2日の楽天戦で、エース則本昂大からの2発を含む3打席連続本塁打を放つなど衝撃的な活躍を見せる。最終的に8月は9本塁打30打点、さらに9月も10本塁打と絶好調を続け、2か月連続の月間MVPを受賞。後半戦2位浮上の立役者となった。

「炎獅子」快進撃の再来はリリーフ陣復調が鍵か

山川は今シーズンの春先も本塁打を量産し、年をまたいで3期連続の月間MVPとなった。西武も序盤から首位キープが続く。すっかり4番に定着した山川を中心に、今年の西武の強さは炎獅子快進撃からの好調を継続させた形だ。

しかし、現在の西武は中盤戦頃からやや失速し、春先ほどの勢いはなくなってきている。30日時点では2位の日本ハムとゲーム差ゼロで並んだこともあり、なかなかパ・リーグの混戦を抜け出しきれない状況が続く。課題となっているのは、リリーフ陣と投入する終盤の試合運びだ。

炎獅子のときの西武投手陣は、クローザー増田達至をはじめとして、牧田和久、シュリッター、武隈祥太といったリリーフ陣が盤石だった。一方、今季はリリーフ陣の整備が最大の悩み。牧田とシュリッターはチームを去り、現在は増田と武隈も再調整中で一軍にいない非常事態となっている。

そんな中迎える勝負の後半戦、今年も獅子風流ユニフォームで快進撃を起こせるだろうか。炎獅子ユニフォームをまとい劇的勝利を重ねた昨年だが、全ての試合にミラクルが起こった訳ではなく、そこには確かな戦力があった。タフな戦いとなる夏場を前に、勝利の方程式確立が急がれる。