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清宮プロ1年目の選球眼は筒香以上!本塁打、打点で先輩中田越え

2018 7/7 09:35勝田聡
清宮幸太郎,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

二軍で本塁打を量産する清宮

プロ野球は前半戦が終了間近となり、1年目の選手たちもようやくプロの水に慣れてきたところだろうか。東克樹(DeNA)、田嶋大樹(オリックス)といった即戦力と呼び声の高かったふたりは、ローテーション投手としてチームを支えている。

野手では藤岡裕大(ロッテ)が開幕からレギュラーを獲得すると、遊撃手としてチームを牽引している。また高卒ルーキーでは、昨夏の甲子園優勝投手でもある清水達也が一軍デビューを果たした。多くのルーキーがそれぞれの役割で結果を出し始めている。

その中でもっとも注目度が高いのはやはり清宮幸太郎(日本ハム)だろう。高校生史上最多となる7球団競合の末に日本ハムへ入団した大砲候補はここまで一軍21試合に出場し1本塁打。5月下旬からは二軍でプレーしている。

7月5日終了時点の二軍成績を見ると37試合で打率.236、15本塁打、36打点となっており、イースタンリーグの本塁打王だ。低打率なのは少し気になるが、「当たれば飛ぶ」頼もしさがある。一方で出塁率は3割にわずかに届かず.297といまひとつに見える。選球眼を表す指標として用いられることの多いIsoD(出塁率ー打率)では.061だ。はたしてこの数字は高卒1年目のスラッガーとしては及第点なのだろうか。

現在各チームの主力となっている選手たちの高卒ルーキー時代を改めて振り返ってみたい。

清宮のIsoDは筒香以上!

中田・筒香・岡本・清宮の高卒1年目の成績

ⒸSPAIA

まずはチームの先輩でもある中田翔の数字を見てみよう。ルーキイヤーとなった2008年は骨折もあり出場試合数は56試合。そのなかで打率.255、11本塁打、31打点の成績を残している。また、出塁率は.339だった。IsoDは.084と清宮よりも本塁打、打点こそ少ないが、粘り強く打席に立ち四球を選んでいたことがうかがえる。

日本の4番として君臨する筒香嘉智(DeNA)は1年目から圧倒的な数字を残している。102試合に出場し、打率.289、26本塁打、88打点と二軍とはいえ高卒1年目の選手が本塁打、打点の二冠王となったのだ。勝負を避ける敬遠などが一軍に比べ少ないとは言え四球数は24と多くない。その結果、出塁率は.333となっており、IsoDは.044となる。

また、今シーズン大ブレイク中の岡本和真(巨人)は、1年目に放った本塁打はわずかに1本。打率.258、出塁率.307、IsoDは.049となっている。

現時点での清宮はIsoDが.061と筒香、岡本より高い。打率が低いのは気がかりだが、選球眼という面では悪くないと言えそうだ。ここから、清宮はどのような成長曲線を描いていくのだろうか。中田や筒香のような日本を代表する打者に育つことを期待したい。

※数字は2018年7月6日終了時点