さすがの菅野、防御率セ界1位に
プロ野球は6月21日にセ・パ交流戦を終えた。球団によっては、4日間の休みを利用してローテーションを再編してきそうだ。さて、約3カ月前の開幕時にローテーションの軸として期待されていた開幕投手たちは、ここまでどのような成績を残しているのだろうか。一度、振り返ってみたい。
セ・リーグでは菅野智之(巨人)がさすがの成績を残している。開幕から2戦連続で打ち込まれ、心配されたもののそこから修正を重ね、ここまで7勝(4敗)をマークしている。また防御率2.13はリーグトップとなっており、エースとしての働きを十二分に果たしている。ここからもローテーションの軸として起用されることが既定路線だ。巨人のV奪回に向けて、菅野の活躍は絶対条件でもある。高橋由伸監督も菅野に絶大な信頼を寄せているはずだ。
ランディ・メッセンジャー(阪神)、デービッド・ブキャナン(ヤクルト)の両外国人投手もチームのエースとして奮闘している。メッセンジャーはハーラーダービー2位となる8勝(4敗)をマークし、通算100勝まであと8勝に迫った。今シーズン中の大台到達に期待がかかる。ブキャナンも中尾輝とともにチームトップの5勝をマークしている。中5日での登板も多く、先発投手不足のチームを支えている。
一方でここまでは期待通りの成績を残せていないのが、野村祐輔(広島)、石田健大(DeNA)、小笠原慎之介(中日)の3人だ。いずれもローテーションを守ることができず、二軍調整期間もあった。また、防御率は4点台を超えている。各投手の復調が戦力の上積みとなることは間違いない。まずは、本来の調子を取り戻したいところだ。
【セ・リーグ開幕投手】
- 野村祐輔(広島)
5試合/2勝1敗/防御率5.59
- ランディ・メッセンジャー(阪神)
13試合/8勝4敗/防御率2.69
- 石田健大(DeNA)
9試合/1勝5敗/防御率4.82
- 菅野智之(巨人)
12試合/7勝4敗/防御率2.08
- 小笠原慎之介(中日)
10試合/2勝5敗/防御率4.02
- デービッド・ブキャナン(ヤクルト)
13試合/5勝4敗/防御率3.13
パは菊池が無敗を継続中!
パ・リーグの開幕投手もセ・リーグ同様に明暗が分かれている。やはり目立つのは、首位を走る西武の菊池雄星だ。球団史上初となる開幕投手からの5戦5勝をマークするなど、ここまで7勝0敗と7つの貯金を作っている。約1カ月間の離脱期間があったものの、それを感じさせない頼もしさがある。
千賀滉大(ソフトバンク)も菊池同様に離脱期間はあったものの5勝2敗、防御率2.91と安定した成績を残している。チームの中継ぎ陣に故障が多いなか、さらなる奮闘を期待したいところ。2年連続日本一に向けて千賀の力は欠かせない。
西勇輝(オリックス)も好投を続けている。4勝6敗と負け越しているものの、防御率は2.87と安定した投球を続けている。このままいければ、勝ち星も増えるはずだ。
一方で思うような成績を残していないのが、則本昂大(楽天)、涌井秀章(ロッテ)、ブライアン・ロドリゲス(日本ハム)である。則本、涌井のふたりはローテーションを守り、4勝をマークしているもののともに負け越し。エースとしては少し物足りない成績と言える。ここからの奮起に期待したいところだ。
新外国人として期待されたロドリゲスは2試合で自責点12、防御率20.25と試合を作ることすらできていない。二軍でも2勝4敗、防御率4.43と結果を残せておらず、苦しい状況が続く。日本ハムは上位を争っており、1枚でも多く先発投手が欲しいとはいえ、現時点でのローテーション復帰は厳しい。
チームの上位進出に先発投手陣の安定は欠かせない。思うような投球ができてない選手には奮起することで役割を果たしたいところ。1年の軸として期待されて送り出された開幕投手たちの今後の活躍に期待したい。
【パ・リーグ開幕投手】
- 千賀滉大(ソフトバンク)
8試合/5勝2敗/防御率2.91
- 菊池雄星(西武)
9試合/7勝0敗/防御率2.86
- 則本昂大(楽天)
12試合/4勝7敗/防御率3.45
- 西勇輝(オリックス)
12試合/4勝6敗/防御率2.87
- ブライアン・ロドリゲス(日本ハム)
2試合/0勝2敗/防御率20.25
- 涌井秀章(ロッテ)
12試合/4勝5敗/防御率4.29
※数字は2018年6月19日終了時点