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西武「山賊打線」が止まらない 68年ぶり記録更新も!?

2018 5/8 11:30栗栖章
源田壮亮,西武,打撃練習
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ⒸSPAIA

強力「山賊打線」!

5月5、6日と2試合連続で西武が二桁得点を挙げて勝利した。特に1戦目は、エース・則本昂大を攻略してのものであり、改めて西武打線の強力さを思い知らせたと言えるだろう。先週からインターネット上やスポーツ新聞では、太平洋クラブライオンズ時代に呼ばれた「山賊打線」という名称が使われ始めている。連打で一気に得点をかっさらっていく今の西武打線にふさわしい名称だ。

この破壊力抜群の打線は、過去のプロ野球史上でも類を見ない勢いで得点を重ねている。6日の試合が終了した時点で、西武の総得点は201。得点数最下位(89)の楽天に100点以上の差をつけている。

プロ野球史に残るほどの成績を残し、1950年にセ・リーグ優勝を果たした松竹ロビンスと比べてみよう。この年の松竹はチーム打率.287、得点数908、179本塁打、825打点、223盗塁。この得点・打点記録はいまだに破られていない。

この松竹打線が30試合を経過した時点で奪っていた点は、196。2018年度の西武がわずかに上回っている。さらに勝率に目を移してみると、こちらも西武の打率は.295で上回っている。このペースを維持できれば68年ぶりの記録更新が期待できる。

松竹「水爆打線」との比較

両チームの打線を比べてみたい。ちなみに6番の吉田和生は、打率.292、3本塁打、37打点、14盗塁を記録した木村勉と併用されて出場していた。

1番:金山次郎 率.311 7本 67点 74盗塁
2番:三村勲  率.265 16本 72点 13盗塁
3番:小鶴誠  率.355 51本 161点 28盗塁
4番:岩本義行 率.319 39本 127点 34盗塁
5番:大岡虎雄 率.281 34本 109点 6盗塁
6番:吉田和生 率.261 13本 49点 2盗塁
7番:荒川昇治 率.268 3本 51点 25盗塁
8番:宮崎仁郎 率.273 3本 58点 17盗塁
9番:投手

一方で、今季の西武打線である。

1番:秋山翔吾  率.372 5本 21点 4盗塁
2番:源田壮亮  率.320 0本 25点 6盗塁
3番:浅村栄斗  率.312 7本 29点 1盗塁
4番:山川穂高  率.324 12本 39点 0盗塁
5番:森友哉   率.311 3本 18点 4盗塁
6番:外崎修汰  率.289 3本 18点 8盗塁
7番:栗山巧   率.302 2本 16点 0盗塁
8番:炭谷銀仁朗 率.317 0本 4点 0盗塁
9番:金子侑司  率.163 0本 5点 11盗塁

本塁打、打点、盗塁は、松竹との比較が難しいところだが、打率だけであれば、比較は容易だ。9人中7人が打率3割以上、さらに6番の外崎も.289と十分な成績を残している。9番の金子侑司だけが1割台と落ち込んでいるが、5月4日からは、打率.381(21-8)、1本塁打、5打点、3盗塁を記録している木村文紀とスタメンを交代している。

これがハマれば、打線は完全に切れ目がなくなり、何番からでも繋がる恐ろしい打線が完成する。 かつての強力打線と引けをとらない西武の新「山賊打線」、リーグ制覇と68年ぶりの記録更新へ一気に駆け抜けられるか。