低迷から復活
4月28日、東京ドームで行われた巨人対ヤクルト戦のヒーローは、間違いなく菅野智之だ。この日先発マウンドに上がった菅野は、9回を投げて被安打2の完封勝利を挙げた。
今期の菅野は、開幕戦で7回5失点と今ひとつの投球を見せると、続く4月6日のヤクルト戦でも6回5失点で降板。解説者やファンからは、「今季から新たに習得したシンカーが良くないのではないか」という声も聞かれた。
しかし、4月13日の広島戦で8回1失点と好投を見せると、4月20日の阪神戦では1失点完投勝利。調子を上げてきたなかでの完封勝利だった。
この試合の投球で特徴的だったのが、ゴロアウトの多さだ。27アウトのうち、ゴロで奪ったアウトは実に16。シュートやカットボールを駆使して、バットの芯を外し続けた。今季、ここまでの奪三振率は7.38と、昨季の8.22から1ポイント近く下がったが、打たせて取る投球に磨きがかかっている。対戦相手にとって今季の菅野は今まで以上の脅威となることは間違いない。