NPB史上最高補殺数を記録
二塁手として5年連続ゴールデングラブ賞を受賞している菊池涼介(広島)。今シーズンは二塁手としての最多タイとなる6年連続を目指している。しかし、その菊池に強力なライバルが現れた。2016年ドラフト1位で巨人に入団した吉川尚輝だ。
打撃であれば、打率や本塁打、投球であれば勝利数、奪三振、防御率など各選手の比較をする際に指標となる数値がある。しかし、守備においてはこのような数値は多くない。近年では、UZR(Ultimate Zone Rating)やDRS(Defensive Runs Saved)といった指標がデータ分析会社から発表されているが、コアな野球ファンの間にしか浸透しておらず、まだ一般的にはなっていない。NPBの公式サイトでも公開されている失策数、補殺数、刺殺数によって判断しているのが実情だ。今回はUZRやDRSといった数値ではなく、従来からの数値でセリーグ各球団の二塁手を見ていきたい。
菊池の年度別二塁守備記録は以下の通り。
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2013年にはプロ野球史上最高の535補殺を記録している菊池。レギュラーに定着した2013年から4年連続、二塁手として最多刺殺を誇っている。しかし、昨シーズンはレギュラー定着後最少となる407刺殺となった。
補殺とはアウトを成立させるために補うことを意味しており、二塁手の場合であれば、主に二塁ゴロや「4-6-3」併殺打などで記録される。打球を捕り、一塁などに投げることでアウトにする行為となるため、守備範囲が広い選手ほどこの数は多くなる。守備範囲が狭いと打球を捕ること自体が少なくなるためだ。また、より多くの打球に触れることで失策数は増えやすくなる。昨シーズンで見ると菊池の補殺はNPB記録の535補殺を記録した2014年と比べ128に減少。そして、失策も7個減っている。