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山川、外崎、多和田「富士大トリオ」が西武Vのキーマンに!?

2018 4/27 18:27青木スラッガー
西武ライオンズ
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ⒸSPAIA

西武のロケットスタート支えた山川・外崎・多和田の共通点

プロ野球は4月下旬に差し掛かり、そろそろ上位・下位チームの差が開いてきた。ロケットスタートを成功させた西武は19試合を終えて15勝4敗、勝率は両リーグで唯一7割を超える.789。
圧巻なのは本拠地・メットライフドームでの強さだ。4月22日ロッテ戦の勝利で開幕からの本拠地連勝を「9」に伸ばし、球団記録の更新を続けている。

快進撃の要因は何か。復帰したレジェンド松井稼頭央などのベテランと、森友哉ら若手が上手く融合し、「勢い」だけではない力強さを生んでいる印象はある。だが、ここまでの戦いでチームを引っ張ったのは、どちらかというと若獅子たちだ。

なかでも4番を打つ山川穂高(26歳)、ユーティリティプレーヤーの外崎修汰(25歳)、先発投手の多和田真三郎(25歳)を、ロケットスタート成功の立役者に挙げたい。山川、外崎、多和田の順に学年が一つずつ違うこの3人には、共通点がある。

3人の母校は北東北大学野球の雄・富士大学

その共通点とは、富士大学野球部出身ということだ。「富士」という大学名から静岡や山梨を想像しがちだが、この大学がキャンパスを構えるのは岩手県花巻市。西武が誇る安打製造機・秋山翔吾を輩出した八戸学院大学などが属する「北東北大学野球連盟」に加盟している。

2017年まで富士大学は、この連盟の一部リーグで8季連続優勝を飾る北東北大学野球の雄だ。同年まで全日本大学野球選手権大会は5年連続、明治神宮野球大会は2年連続出場と、全国大会の常連校に位置している。 といっても毎年のように全国大会に出場するほど強くなったのは、ここ10年あたりのこと。歴代の出身プロ野球選手は10名に届かず、現役のプロ選手は5名。野球ファンの知名度では、金本知憲阪神監督など数々の名選手を輩出した東北福祉大学には及ばない。

同じ学校の野球部出身の選手が、プロでチームメイトになることは決して珍しいことではない。だがそれは、歴代で何十名もプロ選手を輩出するような、超名門野球部に限った話。地方大学出身の選手が3人も同じチームで主力として活躍することは、球界でも稀だ。
山川は2013年2位指名、外崎は2014年3位指名、多和田は2015年1位指名で西武に入団。3年続けてドラフト上位指名となった西武の「富士大トリオ」が、今季は開幕から揃って絶好調だ。

それぞれ重要な役割担う「富士大トリオ」。3人の活躍で西武は10年ぶりVなるか!?

4月22日終了時点で、多和田はエース菊池と並ぶリーグトップタイの4勝をマーク。山川は7本塁打21打点でリーグ打撃二冠。外崎は3割以上の打率をキープし、リーグトップタイの7盗塁を決めている。

■多和田真三郎  4登板/4勝0敗/28回/防御率1.93
■山川穂高   19試合/打率.333/7本塁打/21打点
■外崎修汰   19試合/打率.319/2本塁打/14打点/7盗塁

多和田の安定感は抜群だ。全4戦でクオリティスタートに成功し、防御率1点台。昨季の西武では2桁勝利の先発投手が菊池(16勝)、野上亮磨(11勝)の2人だったが、野上はFAで巨人に移った。優勝を狙うには、野上に代わる「右のエース」が不可欠。ここまでの多和田の活躍は、その期待に応えてくれるものだ。

昨季終盤から4番を任される山川は、いよいよ主砲の貫禄がでてきた。4月13日、楽天戦では3点ビハインドの2回に、相手エースの則本昂大から一発を打ち、その後打線が活気付いて逆転に成功。数字だけでなく、チームの雰囲気を変えるような一発が目立つ。

ユーティリティな守備と俊足好打が売りの外崎は、「走攻守」すべてでハイレベルな活躍を見せる。彼らしい活躍が見られたのは、20日ロッテ戦。8回に右翼、9回に三塁とポジションを変えて好プレーを連発し、チームに勝利をもたらした。

躍進続く「富士大トリオ」。この3人の活躍なしに、西武の歴史的なロケットスタート成功はあり得なかっただろう。
右のエース、主砲、3割を打って守って走れるユーティリティプレーヤーと、それぞれが担う役割は大きい。3人ともシーズンを通して好調が続けば、10年ぶりの西武優勝はぐっと近づくはずだ。これからの長いシーズンも、トリオ揃っての活躍に期待したい。