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1番・山田哲人で得点力アップ!控え選手の活躍も見逃せない

2018 4/23 16:26勝田聡
神宮球場
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Ⓒ勝田聡

1番・山田哲人が効果的

昨シーズン、球団史上ワーストとなる96敗を喫しセ・リーグ最下位となったヤクルト。今シーズンは開幕12試合終了時点で6勝6敗の勝率.500とまずまずの成績を残している。その要因のひとつに得点力が上がったことがあげられる。

昨シーズンは主に、3番・4番を打つことが多かった山田哲人。今シーズンは青木宣親の加入もあり、開幕から1番を任されている。そのため本人も出塁率を重視する発言をしており、大振りは減少した。ここまでの打撃成績を見ると、打率.233(43打数10安打)、1本塁打、4打点と一見低調に見える。
しかしリーグ2位となる13四球を選んでおり、出塁率.411と1番打者としての役割は充分に果たしている。またリーグトップの7盗塁を決め、失敗は「0」。現在13得点をマークしており、相手チームにとっては塁に出したくない選手のひとりと言えるだろう。

4番に座る青木宣親は打率.267だが、得点圏打率.462とリーグ4位。山田、ウラディミール・バレンティンといった前を打つ選手が塁に出たあと、しっかりと得点に結びつけることができている。
そして6番に坂口智隆が控えているのも大きい。昨シーズンは主に1番を務めていたが、今シーズンはここまで6番での起用がメインだ。
打率.324と3割を超える坂口が後ろに控えていることで、クリーンナップと勝負をせざるを得なくなり、結果として得点に繋がっているのかもしれない。

見逃せない準レギュラーの活躍

ここまでのヤクルトは、チーム打率.284とセ・リーグトップの56得点を挙げ、四球数も46個だ。昨シーズンは、打率.234(6位)、473得点(6位)、454四球(3位)だったので、結果的に全ての数字が上昇していることになる。
ほとんどが青木の復帰やレギュラー格の選手によるものだが、見逃せないのは準レギュラーにあたる選手達の活躍だ。

まず取り上げたいのが西浦直亨だ。中村悠平にその座を譲ったものの主将候補にも挙げられた西浦。開幕スタメンは逃したが、川端慎吾が頭部死球により欠場すると起用されるようになった。
すると、レギュラーを獲れなかった鬱憤を晴らすかのように、これまでの7試合で打率.611(18打数11安打)、1本塁打、6打点と大当たり。また犠打も3つ決めるなど小技もきかせ、川端不在時にも大きな役割を果たした。すでに川端は復帰しているが、状態によってはレギュラーを奪うということになるかもしれない。

昨シーズンオフに、西武からの戦力外を経て加入した田代将太郎も見逃せない。守備固めなどで試合終盤からの出場が多くなっているが、数少ない打席で結果を残し、ここまで打率.667(3打数2安打)と好調。
また肩の強さはチーム内でも上位に位置しており、控えとして頼れる存在となった。その他、廣岡大志らと遊撃のレギュラーを争う奥村展征も打率.357(14打数5安打)と結果を残している。

このように全体的な底上げがあり、チームとしての得点力が上がったと言えそうだ。開幕したばかりとはいえ、現時点では明るい材料の多いヤクルト。今シーズン最下位脱出からAクラス入り、そして優勝に期待したい。

※成績は2018年4月12日終了時点