30勝以上で勝ち越しはわずかに3人
昨シーズン11連敗でシーズンを終えた石川雅規(ヤクルト)が、今シーズン初めての登板となった3月31日のDeNA戦で白星を挙げ連敗をストップ。現役通算157個目の白星をマークした。2001年ドラフトでヤクルトに入団してから、17年目のシーズンで積み上げてきた勲章でもある。その石川はここまで巨人戦に27勝(26敗)と節目の30勝まであと3勝に迫っている。この27勝は現役投手では最多でもある。
過去の投手を紐解いてみると、巨人戦最多勝は国鉄(現・ヤクルト)のエースとして活躍した金田正一の65勝(72敗)だが、7つ負け越しており勝ち越していない。しかし、王貞治・長嶋茂雄といったスター選手が揃っていた時代にこれだけの勝ち星をあげているのは、やはり凄いと言えるだろう。また現役晩年は、国鉄から巨人へと移籍したことも最終的な勝ち星が伸びなかった要因のひとつだ。
金田に次ぐ勝ち星を挙げているのは、カミソリシュートで有名な平松政次(大洋)の51勝(47敗)だ。さらには山本昌(中日)が43勝(45敗)、村山実が39勝(55敗)、杉下茂が38勝(43敗)と続くが、平松を除き貯金はひとつもない。巨人戦において30勝以上をマークし、貯金があるのは平松、星野仙一(中日)、川口和久(広島他)とわずか3人。石川も現時点では1つ勝ち越しおり、貯金を作ったまま30勝に到達すれば、史上4人目の巨人戦30勝以上かつ勝ち越しとなる。今シーズン、石川の巨人戦に注目したい。
【巨人戦通算30勝以上且つ勝ち越しの投手】
平松政次(大洋)
51勝47敗
星野仙一(中日)
35勝31敗
川口和久(広島他)
33勝31敗