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ヤクルト・石川雅規が挑む貯金ありでの巨人戦30勝

2018 4/4 12:00mono
神宮球場 ヤクルト
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ⒸSPAIA

30勝以上で勝ち越しはわずかに3人

昨シーズン11連敗でシーズンを終えた石川雅規(ヤクルト)が、今シーズン初めての登板となった3月31日のDeNA戦で白星を挙げ連敗をストップ。現役通算157個目の白星をマークした。2001年ドラフトでヤクルトに入団してから、17年目のシーズンで積み上げてきた勲章でもある。その石川はここまで巨人戦に27勝(26敗)と節目の30勝まであと3勝に迫っている。この27勝は現役投手では最多でもある。

過去の投手を紐解いてみると、巨人戦最多勝は国鉄(現・ヤクルト)のエースとして活躍した金田正一の65勝(72敗)だが、7つ負け越しており勝ち越していない。しかし、王貞治・長嶋茂雄といったスター選手が揃っていた時代にこれだけの勝ち星をあげているのは、やはり凄いと言えるだろう。また現役晩年は、国鉄から巨人へと移籍したことも最終的な勝ち星が伸びなかった要因のひとつだ。

金田に次ぐ勝ち星を挙げているのは、カミソリシュートで有名な平松政次(大洋)の51勝(47敗)だ。さらには山本昌(中日)が43勝(45敗)、村山実が39勝(55敗)、杉下茂が38勝(43敗)と続くが、平松を除き貯金はひとつもない。巨人戦において30勝以上をマークし、貯金があるのは平松、星野仙一(中日)、川口和久(広島他)とわずか3人。石川も現時点では1つ勝ち越しおり、貯金を作ったまま30勝に到達すれば、史上4人目の巨人戦30勝以上かつ勝ち越しとなる。今シーズン、石川の巨人戦に注目したい。

【巨人戦通算30勝以上且つ勝ち越しの投手】
平松政次(大洋)
51勝47敗

星野仙一(中日)
35勝31敗

川口和久(広島他)
33勝31敗

中日の黄金時代を支えた投手達が2桁勝利

現役投手を見ると石川に次ぐ勝ち星をあげているのは能見篤史(阪神)の21勝(20敗)となる。現時点では能見も勝ち越しており、石川と同様に30勝以上かつ勝ち越しに手が届きそうだ。そのほかに2桁勝利をマークしているのは、山井大介、吉見一起、岩瀬仁紀の中日勢、そして開幕戦で巨人相手に勝利を挙げたランディ・メッセンジャー(阪神)だ。また、現在はパ・リーグ所属となったため対戦の機会は限られるものの、中田賢一(ソフトバンク)もそうなる。

メッセンジャーを除き、落合博満監督時代の中日を支えていた投手が並んでいるのはおもしろい。また、メッセンジャーを除いた4人は全員勝ち越しており、当時の中日の強さを思い起こさせる。

今の時代は巨人が圧倒的な強さ、そして人気を誇った時代とは違う。また、北海道から福岡まで全国各地に球団が広がり、地域密着型のチーム作りをしていることで巨人ファンの存在は薄まったかもしれない。とはいうものの、V9時代のような強さはないかもしれないが、クライマックスシリーズが始まってから、一昨年まで常に出場を果たすなど底力はある。そして、各種アンケートを見ると巨人ファンの人数は他球団に比べるとやはり多い。

そんな人気を誇る巨人に立ち向かい、勝利を収める巨人キラーが今後も出現することに期待したい。

【現役投手・巨人戦10勝以上】
石川雅規(ヤクルト)
27勝26敗

能見篤史(阪神)
21勝20敗

山井大介(中日)
17勝12敗

吉見一起(中日)
14勝11敗

ランディ・メッセンジャー(阪神)
13勝16敗

岩瀬仁紀(中日)
11勝7敗

中田賢一(中日)
10勝6敗

※数字は2018年4月2日時点